起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part8
今回は前回の「3−1UXブループリントを作る」の続きです。
3−2プロトタイプの構築
UX設計をベースにプロトタイプを実装する
プロトタイプを作る理由
1高いレベルでプロダクト像の認識の一致ができるため。
互いの考えをぶつけ合う時の議論がより具体的になり、作業効率をあげることができる。
2カスタマーの潜在ニーズが掴める
顧客にプロトタイプを見せることによって、発想が広がることがよくある
3多様なパターンを検証できる
1回あたりのニーズ調査を短時間で済ませて軌道修正の回数を増やすことができる
4メンバーのモチベーションが向上する
メンバーが意見を出し合ってプロトタイプを作るとそのプロダクトを自分ごとに思える。
最初はペーパープロトで十分。
十分リアリティのあるプロトを複数作ってみる。一人で作るのではなく、メンバー全員で共有しながら作る。
作る際には最低限のUIUXデザインの原則に沿って設計する
どのような期待を持って顧客がプロダクトと対峙するのかを想定する
顧客にプロダクトの使い方を学ぶことを強制しない。説明を見なくても使いやすいUXを目指す。
市場ですでに受け入れられているプロダクトのUXを調べる
ツールプロト(プロダクトの動きをある程度再現できる各種ツールを使ったプロト)をつくる。
スマホアプリでは誰でもツールプロトを作れるバルサミコと言うサービスがおすすめ。
注意点は以下。
直感的な使用ができて、使いやすいか。
機能の優先順位は明確か。
デザインに一貫性があるか。
可逆性(前のページに戻れたり)はあるか。
初期は役割に境界を設けないことが大切。エンジニアであろうとデザイナーであろうと全員が徹底的にカスタマーに寄り添うべき。
3−3プロダクトインタビュー
カスタマーの声がリスクを減らす
プロトタイプでのピボットはMVPを投入した後に比べて時間や人的リソースの無駄が圧倒的に少なくて済む。スタートアップはギャンブル性の高いものに映るが、CPF,PSF,PMFと段階を経てプロダクトの開発を進めることで、システマチックにリスクを排除することができる。
ジェフベゾフ「誤解されがちだが、優れた起業家はリスクを好まない。リスクを抑えようとするんだ。会社を始めること自体、すでにリスクがある。だから創業期には体系的にリスクを排除していくんだ」
インタビューを行う際は比較して評価してもらえるように最低でも2つ用意して行う。
インタビューは録画してそれを見ながらメンバー全員で振り返る。
ユーザーの声を元に、余分なフィーチャーを絞り込んで、コア機能のプロトづくりに時間を割くようにする。インタビューでは「事前の仮説を覆すもの」「耳が痛いもの」ほど重要。
PSFの終了条件
・顧客がソリューションを利用する理由を明確に言語化できるか
・ソリューション仮説の磨き込みを通じてカスタマーの課題の理解がさらに深まったか
・その課題を解決できる最小限の機能を持つソリューションの洗い出しができているか
・カスタマーが期待すること全体を言語化できているか
プロトが課題を解決できていないことに気づいたらUXブループリントの作成に戻る。
must-haveなフィーチャーの洗い出し→UXブループリントの作成→プロトの作成→プロダクトインタビューという工程を短期間で繰り返す。
ある程度納得できるレベルまでPSFを実現できたら実際にMVPをつくる。
デザインスプリントメソッド
ソリューション仮説のプロセスを高速に実践する開発メソッド、グーグルベンチャーズがスタートアップ支援のために用いている「デザインスプリント」
月から金の5日間で新規アイデアをプロトタイプとして具体化し、インタビューを通して、アイデアの妥当性や効果の検証を高速で繰り返すと言うもの。
月曜日:現状の課題について書き出してあるべき姿を明確にする。専門家に課題について質問する。
火曜日:ソリューションを考えて、小さなステージごとにブレークダウンして、他のメンバーにデモする。
水曜日:それぞれのソリューションを共有して良い部分を抽出。良い部分がストーリーとして1つにつながる様にする。
木曜日:メンバーに役割をアサインしてプロトタイプを作成してテストする
金曜日:カスタマーにプロトを見せてうまくいっているかを見極める。次にスプリントが必要がどうかを判断。
今回は以上です。
次回は「第3章コラム 共同創業するチームを作る」です。