起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part9
こんにちは、ひろぞうです。
今回は前回の「3-2プロトタイプの構築、3-3プロダクトインタビュー」の続きです。
コラム 共同創業するチームを作る
本気のメンバーを見極める
実際の起業はもう少し先になるが、この辺りからメンバー一人一人にコミットメントの強さを見極める。この時点でチームを離れるメンバーが出ることは悪いことでは決してない。
共同創業が有利なわけ
大成功を収めているスタートアップの多くは共同創業である。失敗することを少しでも回避したいなら共同創業を考えた方が得策であることは事実。
最も大きな理由は創業者一人では作業効率が下がるため。startup genome reportによればファウンダーの人数とスケールするステージに到達するまでにかかった時間は、ファウンダー一人の場合は3.6倍も時間がかかっている。また、技術に強いファウンダーとビジネスに強いバックグラウンドを持つファウンダーの組み合わせは、そうでないファウンダーよりも30%多く資金調達できていて、ユーザーののびは2.9倍にも及ぶ。
また、共同創業者が多い方が変化の多い市場環境の中で幅広く情報収集ができる様になる。
単独で創業する場合、他のメンバーからのチェックやけん制が入りにくく、課題検証やソリューション検証が十分に行われていないのに拡大に突き進んでしまうリスクがある。
「学んだことやタフなことを言葉にして共同創業者と話し合うことが学習を加速させる」
理想はボケとツッコミ
クレイジーなアイデアを出したり、ビジョンを語れる人がボケ。ボケの大風呂敷なアイデアを実現可能な戦略に転換できるのがツッコミ。この2人がいないとスケールしない。
創業者に必要なやり抜く力
「知能のレベルが最高でなくても、最大限の粘り強さを発揮して努力する人は、知能のレベルが最高に高くてもあまり粘り強く努力しない人よりも、はるかに偉大な功績を収める」
ダイソン創業者が自分の納得のいく掃除機を作るまでに5200回失敗しているのは有名な話。
「あなたにはジェームズボンドの様な人が必要です」俺はしたたかで実行力があり、何より粘り強い人間を探そうと言う意味。
「優れた起業家は頑固さと柔軟さをバランスよく持っている。会社のビジョンを信じて行動しつつ、時には新しいことを取り入れる柔軟性が必要」
辛い時に支え合えるか
スタートアップは真っ暗なトンネルのはるか向こうに見える小さな光を追って何度も転びながら走っていく活動。
共同創業者の意義は辛くタフな道を進む時に、お互いを精神的に支え合うことができる点。
ユーザーの反応を知るために投入したMVPの評価が低く、ピボットしている最中は限りなく死に近い体験を味わうことになるだろう。セールスをかけようとしても
、誰も知らない企業なのでアポをとることすらままならない。
書いたコードの90%は捨てることになるし、資金調達に走り回っているときは心配のあまり寝付けない日もある。
「スタートアップは拒否されることの繰り返しです」
そんな状況でスケールできる日まで頑張ろうと励まし合い、共闘できる仲間がいることはとてつもなく大きな意味がある。
理想的な創業チーム
・ハッカー:素早くプロダクトを開発できる人。常に疑問を持ち、完全なものはないと信じて、より洗練されたものを想像することができる人。マークザッカーバーグなど。
・ハスラー:多くのカスタマー、ステークホルダー、提携先候補を常に見て、適切な人間関係を構築できる人。パッションにあふれていて、ビジネスセンスも優れている。ショーンパーカーなど。
・ヒップスター:デザイン性の高いUX/UIを設計、実装できる人。アップルの製品もジョナサンアイブ氏のおかげでここまで伸びた
・ストラジスト:ビジョナリーが掲げた大風呂敷な目標を達成するために現実的なロードマップとマイルストーンを設計できる人。そこからビジネス推進のためのキードライバーを策定して具体的な戦略に落とし込める人。シェリルサンドバーグ氏など。
・ビジョナリー:クレイジーなアイデアと壮大なビジョンを持ち、プロダクト全体のあるべき姿を描ける人。孫正義、スティーブ・ジョブズなど。
これらの役割は一人二役、三役をこなしても構わない。大切なことは共同創業メンバーのなかにこれらの人材が揃っていること。
スタートアップのメンバーはそれぞれ専門分野を持ちつつも、2役3役がこなせるゼネラリストとして働き、互いに補完し合いながら仕事することが望ましい。
スタートアップでうまくいかないだろうと感じることが多いのは、創業メンバーが自分の得意分野のことしか知らない場合。CTOが技術開発ばかりで自分の得意分野の事しかしらなかったり、CTOがカスタマーとほとんど接したことがないケース、CFOが資金調達など一辺倒で技術を全く理解してない場合。
startup genome reportによるとスケール前の段階におけるスタートアップの平均人数は7.5人。適切にスケールできた際に人数を20数人にまで増やしている。
一方で失敗したスタートアップはスケール前のタイミングで20人近くに到達。
PMF達成までは早く仕事をすることは重要ではない。課題が適切か、課題を解決するソリューションかということを早く学ぶ方が最も重要。そのためにはメンバーの平均人数を減らして各自が幅広い仕事を手がける方がカスタマーの反応から技術課題までより多くのことを学ぶことができる。
メンバーはピボットできない
「スタートアップとは、君が世界を変えられると、君自身が説得できた人たちの集まりだ」
スタートアップにとっての数少ない競合優位性の一つはビジョンで、そのビジョンを掲げて有能な仲間を集めることができるところ。
だからこそ、ビジョンを共有できてないメンバーを集めて創業チームを組むことは絶対に避けるべき。
しかし、気軽に共同創業者を探してしまっている人がたまにいる。
創業チームは「ビジョンは同質でスキルは異質な人を選ぶ」のが理想。お互いの弱みを保管し合いながら、同じ方向に進むのが最も効率がいい。
スタートアップのピラミッドの最下層が共同創業者でそのうえがビジョン、ビジネスモデル、、となっていく。一度会社を創立してしまうと創業チームやビジョンをピボットできない。
共同創業者として避けるべき人のリスト
・失敗を恐れる
・ハックしたことがない(既存のやり方に従順)
・アイデアは出すが実行できない
・成功体験がない
・好奇心が弱い
・課題意識の低い
・柔軟性がない
・専門知識がない
・金銭的インセンティブにこだわる
・ワークライフバランスにこだわる
・スタートアップに関する知識をひけらかす
・学習能力が低い
・エゴを通す
・役割にこだわる
共同創業者は結婚と同じ。設立した際に株を分け合う関係。
チームが固まるまでは設立を待つのが無難。
以上です。
次回は第4章人が欲しがるものを作るに入ります。
「4−1ユーザー実験の準備をする」です。