起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part15
こんにちは、ひろぞうです。
今回でいよいよ最終回です。
前回の「5−1ユニットエコノミクスを計測する、5−2顧客一人当たりのLTVを高める」の続きです。
5−3顧客獲得コスト(CPA)を下げる
PMF直後のCPAを把握する
まず顧客獲得を「オーガニックの顧客獲得」と「有料の顧客獲得」に分けて考える。
オーガニックとは有料広告を使わない顧客獲得のこと。ブログ、動画、SNSを通じて情報を発信して興味を持った顧客を獲得すること。
一方有料の顧客獲得とはリスティングな有料広告を通して得る顧客。
費用を払って獲得する方が即効性は高いが、オーガニックな方が長期的に見てパフォーマンスが高い。プロダクトの良さをじっくり伝えられるのでコンバージョンが高くなるため。
マーケットプレイス型は初期CPAが高い
メルカリは開始初期は手数料を無料にしたり、UBERはドライバーが少ない時に時給を払って雇ったりしていた。
マーケットプレイスのCPA削減方法
・自ら動いて「鶏が先か、卵が先か」のジレンマを解消する
出店者が増えないと購入者が集まらないし、購入者が増えなければ出店者も増えない。その相反する構造を変えるために、クラウドワークスでは創業者自らが著名なアプリ開発者を一人ずつ口説き落としていった。これだけ有名な人が登録しているならと1300人のエンジニアがあとを追って登録した。それを持ってこれだけのエンジニアに仕事を発注できますと営業して30社程度の契約を取り付けた。
・需要に対して供給が足りない特殊な状況を狙う
このようなタイミングは広告なく顧客を獲得するチャンス。
・自らプロデューサーとして振る舞う
ファウンダー自らが何でも屋を買って出ればCPAは抑えられる
・他のサービスやプラットフォームを間借り
サブセット・ストラテジーと言われる手法で、他社のプラットフォームを使うことでコストをかけずに顧客獲得を目指す。例えばairbnbは地域情報コミュニティサイトの最大手出会ったgraigslistのシステムをハッキングして、ホストが部屋のオファーを出したら自動的にgraigslistに表示させるようにしていた。
オーガニックでCPA低減
スタートアップに強く推奨したいのはブログなどを使ってコンテンツを蓄積するコンテンツマーケティングによるオーガニックな顧客獲得。
コンテンツマーケティングのメリット
・費用を抑えることができる
・質の高い記事を出すことで業界のオーソリティになれる
・広い潜在カスタマーにリーチできる
・上質なコンテンツな拡散する
・イベントやセミナーでコミュニティを作ることができる
・イベントやセミナーを開催して顧客との接点を増やせる
・イベントやセミナーの参加者が満足すれば情報を自然な形で拡散できる
デメリット
・即効性がない
・訴求が弱い
・リソース(人、時間)を要する
前提条件は価値のある関連情報を発信できること。
そもそもそういった情報を発信できないならその分野でのスタートアップを始めるべきではないだろう。
コンテンツ活用のポイント
・コンバージョンゴールはどこか
・誰に対して発信するか
・どんなコンテンツを作るのか(困りごとや関心ごとは何か、どんな情報を必要としているのか)
・なぜ提供するのか(どのような価値を提供している?)
・どのように提供するのか(ペルソナがコンテンツに出会う接点は口コミなのか、ブログなのか、ユーチューブなのか)
・レバレッジが効くか(作成するコンテンツは他のチャネルや別形態のコンテンツに変えて多重活用できるか)
コンテンツ作成は時間がかかるので、セミナーを開いてその様子をブログで書いてもらったり、録画してユーチューブに公開したりするなど複数チャネルで発信できると効率的。
コンバージョンページを核に
コンテンツマーケティングを育てる仕組みとしては
1プロダクトを購入したり、サインアップできるコンバージョンページを作成する
2コンバージョンページへカスタマーを導くための魅力的なコンテンツを用意する
3コンテンツをSNSでシェア発信してもらう
ターゲットに合う発信手段を用いる
年代や性別によって利用するチャネルが異なる
使い方次第でベストな「ブログ」
定期的にブログを更新する仕組みを作ることができると費用対効果が高いチャネルになる。
潜在カスタマーが頻繁に読みたくなるような、ハウツー情報、プロダクト関連業界の最新トレンド、プロダクトの比較記事などを企画して公開してみるのが有効
ブログは徐々に具体化する
最初は潜在顧客の共感を呼びやすく、集客効果の高いコンテンツを発信し続ける。徐々に顧客が集まると実践的でやや高度な内容のブログを増やし、興味や関心を育成。
リテラシーが高まったユーザーに対して自社アプリやユーザー事例のコンテンツを発信。信頼を得ながら潜在顧客を開拓していく。
「広く興味を引くコンテンツで集客」「集まった顧客をコンテンツで育成」「信頼感を持った顧客に販促」というサイクルはメーティング施策で常に念頭におくべき。
動画はシェアされやすい
制作コストは多少かかるがinstagramなどでシェアされやすく自社サイトの滞在時間を伸ばすことができる。seoの効果も見込める。
企業向けはebookやウェビナー
BtoBプロダクトを持っていて専門性の高いコンテンツで集客したのであればebook, ホワイトペーパー、ウェビナーでの集客がおすすめ。
リアルイベントを開催する
顧客との接点を増やしやすく、参加者がその場でサインアップしてくれる可能性も高い。
専門家を読んでパネルディスカッションをすれば、動画や記事など別の形でコンテンツ化してストックし、多重活用できる
情報をストックして幅広い層にリーチ
バイラルマーケティングで一気に広げる
口コミを利用して低コストで顧客の獲得を図る手法のこと。メリットは圧倒的な初速の高さがあり、影響が長続きすること。
dollar shave clubは創業者が自らミュージックビデオのような雰囲気で自社の髭剃りの切れ味をアピールする動画を公開したところsnsで話題となり、1万2千人が購入を申し込んだ。
マーケティング施策を洗い出せてもいきなり多くの予算やリソースを投入する必要はない。
まずは思いついた施策を低予算で実施して効果を検証してみる。MVPならぬMVC(Minimum Viable Campaign)を試してみれば良い。効果的な施策が見えてから一気に予算を投じる。
以上で全15回に渡った「起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく」シリーズは終了になります。
長々と読んでいただいてありがとうございました。
気になった細かい箇所はその都度本を参照していただけれるとより知識が身につくかと思います。
一度で全てを実践するのは無理なので、何度も読み直して、実践することによって、完全に自分のものにしていきましょう。
それだけの価値のある本だと確信しています。
それでは!Take it easy.