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20代医大生のブログ。日々の情報収集のアウトプット。

起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part5

こんにちは、ひろぞうです。

今回で第2章「課題の質を上げる」に入ります。

前回の「1−4リーンキャンバスを用いてplanA(最善の仮説)を作る」の続きです。

 

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2−1課題仮説を構築する

 

課題の質を上げる

 

前回リーンキャンパスで作成したビジネスモデルのPlanAはあくまでオフィスのあるビルから飛び出してユーザーと話す前の仮説。

顧客が実際にその課題を抱えているのか、生の声を聞きながら検証して、単なるアイデアを質の高い課題へと磨き込む。

これはPMF(Product Market Fit、人が欲しがるものを作れる状態)達成の大前提である。

確かに課題検証は面倒臭く、多少の時間を要するがPMF達成というプロジェクト全体で見たときにはここに時間を費やすことに大きな意味がある。

それはデータでの表れており、米スタートアップGenomeが3200社のインターネット系スタートアップを対象に行ったアンケートによると、PMFを達成したスタートアップの8割

はCustomer Problem Fit(CPF)のステージで「課題の発見と検証」にフォーカスしている。

一方で失敗したスタートアップの74%が初期の段階で「プロダクトの検証」に時間を割いている。つまり、課題の検証に対しては十分に時間をかけていない。

 

前章で「一見悪く見えて本当は良いアイデア」が大切だと言ったが、本当に良いアイデアかどうかは課題検証のフェーズで確かめることになる。

 

まず最初に、スタートアップの初期段階で重要な質問は「想定したカスタマーの課題は本当に存在するのか」というものだ。

確かにソリューションとなるプロダクトを作っている方が楽しい。ただ、それ以上に社会の課題を解決することへの充実感、顧客からの喜びのフィードバックをもらうことの充実感に着目することが大切。

「自分が認識している課題は他人も同様に認識している課題だろう」と思いこむと足をすくわれかねない。

 

人には確証バイアスがあり、自分のみたいように現実を見てしまう。特に起業家は自己主張が強かったり、独自の成功パターンを持っている人が多いのでより当てはまる。

「自分が想定する課題仮説やソリューション仮説は反証されることを前提に臨むべき」

 

MVP(実用最小限の商品)を作るのには数ヶ月かかるため、後戻りする羽目になったらその数ヶ月を戻ることとなり大きな痛手。なのでMVPを作る前にPlanAの作成(1章)、Customer Problem Fit(CPM)(2章)、Problem Solution Fit(PSF)(3章)の順番を減ることで無駄なMVPを作ることを避ける。

 

ペルソナを想定する

 

ではどのようにして課題を検証していくか。

最初のステップはマーケティングの定石であるペルソナの想定。重要なのはリアルな人物像を思い浮かべること。

具体的には

年齢、名前、職業、性別、趣味、生活スタイル、居住地、出身地

どのようなメディアから情報を仕入れるか、気になっている話題

どういう性格か

行動の特徴、ITリテラシー

仕事

何を課題に感じているのか

何を達成したいのか

本音ではどう思っているのか(承認欲求を求めているかなど)

 

ペルソナは一度決めて終わりではなく、フィードバックを得るたびに修正して臨場感のあるものにしていく。

 

ペルソナを設定をする目的3つ

1つ目はプロダクトの設計を人間中心、課題中心にするため。

課題に関するストーリーを明確にできると、リアルな心理描写を深いところまで想定できる。

2つ目はあるゆる人に気に入られる、という無駄な考えをぬぐい去るため。スタートアップの限定市場ではいかに独占できるか、特定の人に圧倒的に支持されることが必要なのでそのカスタマー像を定めるのにペルソナが必要。

3つ目はチーム内でイメージを共有するため。各自のイメージするカスタマー像が異なるとコミュニケーションが難しくなり、結果としてプロダクトの作り直しにもなりうる。

爆発的にヒットしたホンダのバイク「スーパーカーブ」はそば店の配達員をペルソナとして、簡単なギアチェンジやまたがりやすいデザインを生み出した。

ペルソナを定めることで課題仮説の検討スペードを上げることにつながる。

 

架空の人物を想定するのに変数はたくさんあるので「場所」「時間」「イベント」といった文脈を絞り込む。それによって明確にペルソナが不便、不満を感じている状況を浮き彫りにできる。

airbnbは大統領選というイベントの文脈で、宿の確保に困っているペルソナの特性を考えた。

 

ペルソナが変われば接点の設け方もガラリと変わる。

クックパッドの佐野陽光社長「サービスの送り手というのは知らず知らずのうちにお客様に甘えてしまう。送り手側が、これくらいできて当たり前だよね、ということを思ってしまう。」

カスタマー視点から徹底的にプロダクトを磨き込むことが大切。

 

ペルソナを深掘りするのに使うのがエンパシーマップ。

何を考え、感じているのか

何を周りの人から聞いているか

環境に対して何を見ているか

何を言って、行動しているか

どんな痛みを感じているか

何を得たいのか

を細かく想定する。



カスタマーの体験に寄り添う

 

ペルソナを設定してもその役回りをペルソナ像に演じさせてしまうことがしばしばある。

それを防ぐために行動をステップバイステップのストーリーに落とし込んだカスタマージャーニーを作る。

創業者の重要な資質の一つはストーリーテラーになること。つまりカスタマー目線でストーリーをありありと語れること。

カスタマージャーニーを作るメリットは

・ペルソナを動的に描写することで見逃した事実に気づく

・チームでの共通理解が深まる

・特定の状況下の特定の行動について議論できるので、論点がより具体的になる

・メンバーがそれぞれのジャーニーを描くことでお互いが見逃していた視点に気づける。

 

作る手順

0ペルソナの確認

1ペルソナの目標を考える

2大まかな行動ステップを書き出す

3詳細な行動を書き出す

4行動の裏にある思考を書き出す

5ペルソナが接する人やサービスをリスト化する

6感情を書き出す

7現状の課題点を書き出す

 

マッピングの際のポイント

・全員が要素を追加したり動かせるように、付箋を使う

・行動や思考に関するアイデアをまず単語ベースで付箋に書き出す

・付箋を壁に貼りだし、メンバーに説明してフィードバックをもらう

・最初から完全なものを作ろうとせず、定期的に更新する

・カスタマーの痛みを見つけるツールであり万能でないことを認識する

・カスタマーの意識を感じるように心がける

 

今回は以上です。

次回は「2−2前提条件を洗い出す、2−3課題〜前提の検証」です。

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