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20代医大生のブログ。日々の情報収集のアウトプット。

起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part3

 

今回は前回の「1−2スタートアアップのメタ原則を知る」の続きです。

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1−3アイデアの蓋然性を検証する

スタートアップにおけるタイミング

自分がやろうとしているアイデアが自分の人生をかけてまで取り組むに値するのかの判断を下す。

スタートアップの成功要因は「アイデア、プロダクト、チーム、エグゼキューション(実行方法)、タイミング」の5つ。

why you?と同じくらい大切なのがwhy now?

市場は常に変化している。狙う業界のエコシステムはより少ないリソースで多くのことを達成できるようになっている。だからここぞというタイミングがあれば素早く動く。

1983年のスタートアップがIPOに至った確率は52%だったのに対して1985年では18%と3倍も違う。わずかなタイミングの違いで振れ幅が変わる。

 

ベストなタイミングを掴むための1つの考え方としてプロダクトの進化が止まっている領域を探す。

進化が止まっている原因としては、規制、既存のプレーヤーの独占かもしれない。例えばエクセルは使い勝手に関わらず既存のプレーヤーの独占されている例。

 

自分のアイデアを「市場を再定義できそうか」と繰り返しとうことは、始めようとしている事業の潜在能力を検証するのに大いに役立つ。

車椅子を再定義したwhillや日焼け止めを再定義したsnappyscreen、送金を再定義したtransferwiseなどが挙げられる。

 

これからスタートアップを立ち上げるなら5年10年後に供給が圧倒的に足りなくなるものを考える。「未来に生き、欠けているものを作れ」

 

未来を予測する

10年後の社会を予測するためのフレームワークが「PEST分析」。

P:政治 E:経済 S:社会 T:技術

 

特に政治や法律の領域はビジネスの前提がひっくり返るような影響力を秘めているため非常に重要。

理想的には規制緩和の情報を早い段階で想定しておき、起きる前に課題とソリューションの検証を終え、PMFを達成できるところまで準備しておく。

すると規制が緩和した瞬間に一気にスケールできる。

 

経済動向としては、米国では平均所得は伸びているが貧富の格差は広がっていることを利用して貧困層をターゲットにした教育サービスや貸金サービスが考えられる。

 

社会環境としては人口動態や人間の嗜好性の変化を見る。例えば人口動態のトレンドを考えたときに需要に対して供給が少なくなる領域はどこかを考える。日本で言えば、2025年には約38万人の介護人材が不足すると言われている。介護業界は今がチャンスと言えるだろう。

嗜好性については米国では健康志向の人が増えており、ベジタリアンが新たな市場を作り出している。ビヨンドミートなどがその良い例。

 

政治経済社会は前時代のようなパラダイムに戻ることがあるので、予想が難しい。

一方でテクノロジーの進化は不可逆的で10年前に戻るということはない。

ムーアの法則半導体の集積率は18ヶ月おきに2倍になる)はそのよい例であり、他にも遺伝子解析のコストは14年で約7万分の1にまで下がったという事実もテクノロジーの不可逆的な進化を物語っている。

テクノロジーの革新は生活環境を根底から変えるだけのインパクトを持つ。ビジネスモデルを精緻にするためにもテクノロジーの動向は把握しておきたい。

また、新しいインターフェースによってコミュニケーションのあり方まで変わるかもしれない。

情報ソースとして有名なのがKPCBのInternet Trendsやフートスイートのレポート。

 

未知の未知がどうなるかという潮流を読み取り、積極的に情報を集めて投資をしていく起業家が次の世界を作る。

 

tech giantsの動きに注目することも大切。

5年〜10年くらいに1回シリコンバレーからとんでもない黒船がやってくる。1995年のウェブブラウザーや2007年のiphoneだ。次は音声認識インターフェースになるかもしれない。

 

ロードマップや買収を押さえることが重要。また事実だけでなく、そこで真因を考える習慣をつける。

 

イデアを検証するときpest分析などによる市場環境変化の理解は極めて重要。「本質的問題をあぶり出すには、まず対象の全体像を知る必要がある」大前研一

 

イノベーションのジレンマ

大手家電メーカーが既存の湯沸かし器の改善にこだわり続けて、ユーザーの求める価値以上の過剰機能の製品を出した結果、ティファールに湯沸かし器市場を奪われる、というような現象をイノベーションのジレンマという。

 

破壊的イノベーションとは従来製品の価値を破壊し、新しい価値を生み出すもの。

ブラックベリーガラケーが持続的イノベーションを行なっている間に、iphoneが登場。

ホテル業界が持続的イノベーションを行なっている間にaribnbが登場。

 

大企業が狙えない領域

スタートアップの強みはイノベーションを実現する機能を組織の中心におけること。

airbnbの創業者は初期の頃ユーザーからのクレームに対して全て自分で処理していた。顧客の声をダイレクトに聞くことで改善に役立てた。

 

世の中には顕在化されていない秘密がたくさんある。未来の世界を作っていくのは秘密を顕在化した起業家である。

 

YCの開催するデモデーはアイデアの宝庫。



TAMについて

ターゲットとなる市場を見極めるのに使われるのがTAM(Total Addressable Market)で対応可能市場のこと。

TAM=エンドユーザー数×その人がそのサービスに年間払う金額

スタートアップは誰もやっていないニッチな市場を見つけることが重要だが、対応する市場が小さくてはスケールした時の上限が限られる。一つの目安として、TAMは100億円以上。

「小さくてもいいので市場を独占せよ。競争は負け犬がすることだ」ピーターティー

インバウンドをやるにしても、旅行者向けのsimやコインに特化した両替機、カフェに荷物を預けられるサービスがよい。

それが達成できるとその領域のビジネスは会社にとって金のなる木になる。

そこまでいったら周辺市場に参入してTAMを広げていくのが堅実で成功確率が高い。

 

今回は以上です。

次回は「1−4リーンキャンバスを用いてplanAを作る」です。

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