医学生が考える最も効率の良い勉強法とは
今回は勉強全般のお話です。
自分は医学部に入ってからの勉強は、試験をいかにコスパよく乗り越えていくかを目標にして行っていたので根本的な理解を疎かにしたまま4年生となりました。
(もちろんちゃんと勉強している人はすごいなあと思うけど、他のことに対するモチベの方が全然大きかったです、、)
4年生は半年間アメリカへ留学に行き、帰ってきて待っていたのはCBTです。
(わからない人のために、医大生が病院に臨床実習に出るために必要な試験で医師国家試験の予備試験的な扱いです。)
その期間は今までの遅れを取り戻すためにいかに効率的に勉強をするかということを考えて2ヶ月間ひたすら勉強をしていました。
医学の範囲は膨大です。それを2ヶ月でどうにかしようというのですから大変でしたが、自分なりに満足のいく結果を出すことができ(得点率は90%弱でした)、やりきれたかなと思います。
医学部生は勉強得意な人が多いのでうちの大学の中では別にすごくもなんともないのですが、、
今回はその経験を通して考えた、一般的にも通じる勉強法を書いていきます。
受験から始まり、4年間ひたすらいろんな試験に耐え続け、ストレートで突破することができているのである程度の信憑性は確保できているかなと思います。
復習する事と、内容理解の重要性
まず最初に、復習することの重要性について。
当たり前のことなんですけど、復習しないと何事も身につかないんですね。問題集も一周やっただけでは頭に残らない。
ではどうすれば身につく知識になるのか。
それは、繰り返し知識を頭に入れ続けることです。
知識を何回も入れることによって、脳が「あ、この情報は何回も出てくるから大事なことなんだな」と認識して、海馬の長期記憶に関わるニューロンが構築されます。
家の住所や携帯番号を覚え続けられるのもこの機構のおかげですよね。
では、どのようなタイミングで復習するのがベストでしょうか。
ここで科学的な研究を元にしたエビングハウスの忘却曲線を参考にしてみましょう。
(www.easyrote.jpより)
みて分かる通り、24時間後には25%しか記憶が定着していません。
ほとんど忘れてしまっているわけです。しかし復習することによって100%まで戻すことができ、これによって次回忘れるペースが緩やかになって行きます。このようにして記憶に定着していきます。
なので復習のタイミングとしてはまずはその日の夜がベストです。
「夜に時間作ってちゃんと復習するぞ!」と意気込むと逆にできなかった時にストレスになったりするので気楽に、ちょっと見るか〜程度に覚えたものを開くだけでも変わると思いますよ。
あとは週末に1週間で勉強した内容を復習できるとベストです。時間もかかりますが、それでも記憶の定着のためにやる価値はあります。でも絶対やらなきゃと気負いしすぎずに1時間くらい見返そっかなくらいの気持ちでいましょう。
復習のペースよりも復習において一番大切だと思うことは、
自分で流れを説明できるようになること、つまり100%内容を理解することです。
論理的に説明できるレベルで物事を理解していれば、内容は忘れにくいです。
個人的には、上記で示したエビングハウスの忘却曲線はちょっと忘却しすぎかな?という印象です笑
ただの丸暗記ではなく、既出事項と結びつけて考えたり、なぜこれが必要なのかといった理由まで知ることができれば、忘却率はもっと低く維持できるのではないかと思うし、復習した際の定着率の上がると思います。
ただ、1周目はみんな早く終わらせてどんどん2周目をやりたいと思ってしまいがちですよね。
ここをあえて、しっかり時間を使って関連する事項を調べていったり、より深い内容を理解することによって2周目の復習をより効率的なものにすることができ、
最初はペース遅いんじゃないかと思っても結局は効率的であることが多いです。
(もちろん試験直前でどうにか受かることが目的の試験では話は別ですw)
マインドについて
次にマインドについて。
勉強はやる気が出ないと当然なかなか進みません。
ではどうやってやる気を出すか。その勉強が自分にもたらす価値を考えてみてください。例えばCBTの勉強だったら、医師になるためには医学は避けては通れないから自然とモチベも出てくるとは思うし、勉強するからにはやはり目的があると思うのでそこをまず明確にすることが当然ではありますが大切です。
次に何か目標を作ると良いと思います。勉強の長期的な目標です。
例えば資格の目標だったらもちろん合格ですし、CBTの場合は順位が出るので何位以内を目標にするとか、TOEFLだったら何点とか。あまり高すぎる目標ではなく、なんとか頑張れば行けそう!というレベルがいいですよね。
次に小目標を立てていきます。
例えば今週は何時間勉強する、とか。時間って自分で制御できる部分がかなり多いので、目標を立てやすいし達成しやすいです。
小目標を立てる時のコツは、ほぼほぼ達成できだろうなと思えるものにすることです。
そういった小目標を何回も達成していくことによって、やっぱり嬉しいし自信にもつながっていきます。
逆にここで高い目標を立てると達成できなかった時にストレスになってネガティブな気持ちになってしまう可能性があります。
あとは、この期間は勉強を頑張る!と割り切ることです。
勉強って実はめちゃくちゃコスパがいいと思っていて、CBT直前の2ヶ月は飲み会等遊びをほとんど断って勉強していたのですが、まず普段使っているお金がほとんどかからなくなります(当たり前だw)。かつ、勉強をすることによって自分のスキルアップに繋がって将来の年収が上がる可能性があります。要は最強の自己投資です。
支出が減少して、収入が増えるというなんとも崇高な行為なんですね、勉強というのは。
と数ヶ月の間は思い込みます笑
すると実際そんな気がしてくるし、後から思えばあの時頑張ったなーといい思い出になります。とにかく、やるなら出来るだけ短期で徹底的にやるのが良いと思います。
勉強の方法
次に勉強のやり方について説明します。
紹介したいのはラーニングピラミッドという以下の図です。
アメリカ国立訓練研究所の研究によると、学習方法と平均学習定着率の関係は「ラーニングピラミッド」という図で表すことができます。
普段学校で受ける講義が実は、学習定着率が5%と一番低く、他人に教えるのが90%で最も高くなっています。
自分が意識していたのは友人と問題を出し合うことです。これは定着率75%の自ら体験するや90%の他人に教える作業を自然とこなすことができ、記憶の定着率はかなり良いと思っています。
あとは自分の部屋にある人形にひたすら話しかけるというのもおすすめです。人形は批判を全くすることなく親身になって自分の話す解説を聞いてくれることでしょう。
これによって一人でも他人に教える作業をすることができます。
ただ、そればかりやっているわけにはいきません。自分で勉強もしなければいけない訳ですが、そこで注目して欲しいのがこのデータです。
「講義5%、読書10%、視聴覚20%」
視聴覚というのは動画を使った学習のことですが、これは参考書で勉強するよりも優れています。
今回の2ヶ月間は動画での講義を見つつ、問題集で問題を解きつつ勉強していたのですが、予想外に動画での講義が頭に入ってくることがわかりました。
スピードを2倍にすることでテンポ良く情報をインプットできる上、適切なタイミングで止めることもできるので考える必要がある場面でも時間をかけて理解することができます。何より講義の先生のちょっとした豆知識や小ネタが知識と絡んで覚えられることが多かった気がします。
この視聴覚での学習と普通の講義でなぜこれだけ差が出ているのかは確かではありませんが、(動画を止めたり速さを変えたりできるメリットによるものかな?)少なくとも自分にとってわかりやすい講義動画があるのならそれを使うのがベストと言えるでしょう。大学の講義などはなかなか先生を選べなかったり、先生によって教え方の上手下手がありますから、、
最近では受験勉強でもYoutubeで有益な動画がたくさんあります。
インターネットが普及した現代、ぜひそういったものも取り入れて勉強に活用すると良いのではないかと思います。
集中力を上げる方法
次に集中力を上げる方法について。
これは時間を区切ってやることが大切だと思っています。
勉強を始める前にこの範囲はこの時間内に終わらせると決めてからやるのと、何も決めずに始めるのでは集中力が圧倒的に変わってきます。
達成できずにストレスになるのも良くないのでちょうど達成できそうなくらいに設定して、できたら俺すげー!と自分を褒めましょう。
この時間制限はそんなに長すぎると、集中力が切れて意味がないので大体1時間くらいを目安にすると良いのではないでしょうか。
これは別に勉強に限った話ではなくて、仕事など何をやるにしてもそうですよね。
とにかく頭の片隅で意識することが大事なのです。
あとはインプットをしたあとは、できるだけアウトプットを意識することも大切です。
インプットだけしていても使い物にならなくなることが多いです。
特に英語なんかはそうだと思っていていくら表現をインプットしても、実際の会話で使わなければいつまでも覚えられないし、逆に一度使うとその場面と一緒に記憶されて、印象深くなります。
勉強においてすぐにできるアウトプットとしては、文字として書いてみたり、声に出してみたりとすぐにできるアウトプットから試してみると良いでしょう。
前述の通り、人に教えるというのが最強のアウトプットになります。
ゴロは積極的に使う
最後に、どうしても覚えられないことってあると思います。
調べてもどうしてそうなるのかを論理的に説明できないようなもの。医学でいうと膠原病とかはそういう疾患が多いように思います。
そこでは積極的にゴロを使いましょう。
ゴロは良くないなんていう人がいますが、意味がわからないです。
覚えてしまったら勝ちみたいなところがあるので、邪道だとかは一切思わずに積極的に使っていきましょう。
自分で作ってもいいし、ネットに落ちていたりもするので、どうしても覚えられないものがあれば一度グーグルで「◯◯ ゴロ」で調べてみると案外出てきたりしますよ!
(覚えやすいかどうかは別として、、)
まとめ
以上が自分なりに意識してきた勉強法のまとめになります。
当たり前だと思うことも多かったかもしれませんが、これらを全部意識するのってかなり大変です。
なのでいきなり全部やろうとするのではなくて、これは役に立ちそうだなと思ったものから試してもらえると良いと思います。
勉強で一番大事なのはストレスを溜めない事だと思います。自分が勉強しやすい環境で、自分のお気に入りの文房具を使って、好きな音楽をかけながら、できるだけ楽しみを見つけるようにして勉強をすることが継続のポイントではないでしょうか。
では将来の夢に向けて勉強頑張ってください、自分もこれから国試という大きな壁が立ちはだかっていますがなんとか乗り越えてみせます〜
それでは、Take it easy.