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20代医大生のブログ。日々の情報収集のアウトプット。

起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part6

今回は前回の「2−1課題仮説を構築する」の続きです。

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2−2前提条件を洗い出す

 

課題仮説をさらに深掘りするためにジャベリンボードを用いる。

ジャベリンボードは、「カスタマー」「課題」「ソリューション」「前提条件」をセットにした仮説について、実際のカスタマーへのインタビューを通して妥当性を検証していくための便利な可視化ツール。

https://1q86inc.com/2018/11/16/post-2814/

 

以下のステップに沿って行う。

1カスタマーは誰か?

候補の中で最も確からしいカスタマーを実験1のカスタマー欄に書く。

2課題は何か?

カスタマージャーニーから導き出される課題仮説を問題欄にかく。

3ソリューションは何か?

3章で扱うため、ここではソリューションの妥当性は重視しない

4前提条件は何か?

ジャベリンボードはカスタマーが抱える課題仮説が成り立つ前提条件を検討するために活用するツール。

課題仮説が成り立つための条件を「インパクトの大きさ」と「検証が必要か」という2つの軸でマッピングして、最もインパクトが大きくてなおかつ検証が必要な前提条件を「最も不確かな前提条件」のところに貼る。

5検証方法などのようなものか?

見つけだした前提条件を検証する方法と基準を定める。例えば妥当性の確保のために〜人以上には聞く、〜割以上がそうだと答えたら前提が成り立つと判断するなど。

前提条件を見極める実験を何度も繰り返すことで検証の精度の高めていく。

 

2−3課題〜前提の検証

 

Get out of the building!

いよいよジャベリンボードの実験にて抽出した仮説が正しいのかどうかを想定カスタマーたちに直接確認する。

課題仮説の磨き込みなしにカスタマー候補と話をすることは無駄が多くなるので注意が必要。課題仮説のない状態ではまともな質問もできない。建物を飛び出すのは磨き込みの後である。

話を聞くには、新しいプロジェクトの初期ユーザーとなりうる「エバンジェリスト(伝道師)」や「アーリーアダプター」を選ぶ。彼らは自ら進んで情報収集を行い、判断する。他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。(以下伝道師と記載する)

特徴としては

1ソリューションの予算を確保している

2製品の寄せ集めでなんとかソリューションを持っている

3積極的にソリューションを探している

4課題を認知している

5課題の探求をしている

がある。

普通の人に比べて、不都合な状況を言葉にしたり、それを解決するための代替案に対する批判的な意見を持ち合わせているため非常に参考になる。

 

伝道師の探し方

・知り合いからの紹介

ツイッターの高度な検索で関連する単語を検索

フェイスブックグループなどのフォーラム

・スポットコンサルティングを利用する

・関連するカンファレンスや展示会に参加(専門家コミュニティに入ることは有効)

・現場を訪れる

・社内で情報感度が高くて新しいソリューションを求める人を探す

・関係する業界人

中でも各分野の専門家からスポット的にコンサルを受けられる「ビザスク」などのサービスは課題の質を上げたいときに有効。



プロブレムインタビューの心得

 

伝道師とコンタクトできたら実際のインタビューに移る。

より深い本音を引き出すために周りに気を使わない1対1で行う。

インタビューする際の心得は5つある

1相手のことをよく知る

2相手の弟子になる

3相手の非言語コミュニケーションに注目する

4インタビューオーナーになる

5インタビュー相手の話を分析する

 

1相手のことをよく知る

伝道師としての5つの要件を満たすかどうかを確認する。

以下の質問をしてみて具体的な回答があれば伝道師である可能性が高い。

・現状の課題を解決するためにどのような代替案を利用しているか

・その代替案の不満なポイントは何か

・この課題を解決するためにいくらの予算を確保できるか

もし相手が深く課題について考えている人だった場合、複数回課題に対してインタビューすることやソリューションの仮説ができたときにMVPを使ってもらえないかお願いしてみる。報酬を渡してアドバイザーになってもらってもいい。

 

2相手の弟子になる

弟子になるくらいの気持ちでインタビューに臨む。

自分の持つ思い込みは脇に置いて、素朴な質問やそもそも論の質問をしてみる。(そもそもなぜこれが必要なのか?なぜ非効率のまま放置されているのか?)

その中で業界特有の状況や課題が見えてくる。こうした情報は何年も業界にいないとわからないことが多い。

情報を得るにはA:「教えを請う」→B:「根掘り葉掘り聞く」→C:「確認する」→D:「話から質問を見つける」という文脈に沿って質問していく。

A 教えを請う

相手は専門家であっても言語化することには慣れていないので、言語されていないことも含めて学ぼうとする姿勢が大切

 

B 根掘り葉掘り聞く

「ピッチ(自身のプレゼンテーション)せずに、聞くことに専念する」「黙ってカスタマーの声を聞く」という考え方が大切。オープンクエスチョンを投げてインタビュアーが黙ると相手のインサイトを深掘りしやすい。

「今こうやって話してて気づいたんですけど、〜」という話をどれだけ引き出せるのかが重要。

聞くときのポイント

「未来」ではなく「今」にフォーカスすることが、明日を想定する良いヒントになる。「この製品が出たらいくら払いますか」ではなく「現在課題の解決にいくら払っていますか」と聞く。

「どのくらいの頻度で?」というような抽象的でなく、「1ヶ月で何回?」というように具体的な質問をする。

結果だけではなく、どのようなプロセスを経たのかというストーリーを語ってもらうことで課題の背景やコンテクストを掴める。

自分の作っているプロダクトの機能について話すのは避けて、課題にフォーカスする。課題の大きさをある程度定量的に評価できるように質問する。

インタビューでありがちな間違いは、答えありき(自分たちの作りたいソリューションありき)の誘導尋問をしてしまうこと。これではカスタマーのインサイトにたどり着く効果的なインタビューにはならない。

 

C確認する

相手の発言を自分なりに解釈するのは危険。

相手の言ったことを繰り返したり、要約したり、自分の言葉に置き換えることで確認する。

これによってカスタマーも話をしっかり聞いてくれていると認識する。

 

D話の中から質問を見つける

インタビュアーの目的は用意した質問を投げるよりも、話をじっくり聞いて新たな質問を見つけていくことにある。カスタマーインサイトを効率的に集めることができる質問のスキルは限られた時間を最大限活かすために重要。

 

3相手の非言語コミュニケーションに注目する

インタビューをしていて相手が伝道師でないとわかることがある。そうした人からインサイトを聞くのは難しい。

真剣な表情か、インタビューに集中しているか、前のめりの態度か、普段から課題を意識しているか、と言った非言語コミュニケーションから伝道師かどうかを判断する。

 

4インタビューオーナーになる

創業者自身がインタビューを行い、カスタマーの視点に立ち、痛みに深い理解を持って、カスタマー目線でストーリーを語れることが、人が欲しがるものを作れる前提条件となる。

 

5相手の話を分析する

カスタマーの声は表面的であることが多い上に、情報量が多すぎたり断片的だったりする。

スティーブ・ジョブズ「You can’t just ask customers what they want and then try to give that to them. By the time you get it built, they’ll want something new.」(自らが欲しいものを明らかにするのはカスタマーの仕事ではない。カスタマーが本当に欲しいものを見つけるのはスタートアップがすべき仕事である。)

他の誰もが言語化できていない欲しいものを見つけることは決して簡単ではない。ユーザーが言語化した表現を分析し、その奥にある不完全な状態に対する心情を読み解くのは面倒だし、時間がかかる。しかし、創業者自らが、カスタマーが本当に欲しいものが何かを知っていることが大企業に対するスタートアップの最大の競合優位性になる。

 

インタビュー結果をベースに課題を言語化するのに有効なのがKJ法。手順は以下の6つ。

1インタビューデータを集める

2細かい単位に分けてカードに記載

3カードを平面状に展開してグループ化する

4グループごとに適切なラベルをつける

5グループ同士の関連性を書き出す

6課題の真因を言語化する

http://idea-soken.com/kj-method

 

KJ法のポイント

課題は「現状と理想のギャップ」である。相手の現状を知る質問と最終的に成し遂げたいことを知る質問を聞いて、現実を理想のギャップがどこにあるのかを明確にすることがポイント。

KJ法のポイントは以下の3つ。

ボトムアップで分析する

先にグルーピングありきで考えるのではなく、生の声から全体をグルーピングしていく。

2単語に惑わされない

表面的な単語でなく、一段抽象化したところでグルーピングする

3全部のカードを分類する

その他のラベルをつけずに全てのカードをいずれかのグループに分類する。

 

実際のインタビューはノイズが含まれるし、最低でも5人にインタビューしないとロジックの大枠が見えてこない。著者自身はこのステージで最低でも20人近くインタビューしている。

 

インタビュー以外にもユーザーの実態を知る有効な手段としてジョブシャドーイングがある。調査者がユーザーの特定の活動を観察してその行動と経験を記録していく方法。日本人は欧米人に比べて自分の行動を言語化することに慣れていないためインサイトを得るのに有効なことがある。



仮説を修正していく

ここまでのカスタマーインタビューは自分たちが立てた課題仮説や前提条件を検証、また潜在課題の発見や現状代替案の不全性を明らかにするために行ってきた。

インタビューの結果をKJ法で総合的に分析して結果と学びをジャベリンボードの書き出す。

不確実な前提条件はたくさんあるはずなので1回のサイクルでカバーできなかったら、残りは次回以降のサイクルで検証する。このような仮説構築→実証のサイクルを5、6回繰り返すとフォーカスする課題が自ずと見えてくる。

仮説課題に対する痛みが深くなかったりするなど、仮説が反証されたとしても大事な学びとなる。反証された課題仮説は時間をかけるだけ無駄なので捨て去る意思決定が必要。

 

1つの課題に対して最低何人にインタビューすればいいのか?

目安は最低20人。ヤコブニールセン氏が打ち出した「マジックナンバー5」というコンセプトは、プロダクトの使い勝手の問題をあぶり出すテストで、同じセグメントのユーザー5人と話すと問題の80%は発見できるというものだ。インタビューを重ねる中で4象限でセグメントを分けるとすると20人のインタビューが必要になる。

 

多くの人がこれらの作業を面倒だと思うのではないか。早く形の見えるソリューションに取り掛かりたいと思うだろう。

よく考えて欲しいが、ここで紹介した作業に必要なものは3週間の時間とイタビュー相手の謝礼だけだ。

課題仮説の検証をせずいきなりMVPを3ヶ月と100万円かけて作り、課題解決にかすりもしないソリューションを作ったらどうだろう。何かを達成した気にはなるが、実は何も学んでいない。実際、そういうスタートアップが多すぎる。

最新のテクノロジーでデザイン性が高ければ、snsで拡散されて一気に広がると思ったら大間違い。スタートアップは一番最初の段階がある意味一番泥臭い。プログラミング、デザインスキルよりも仮説構築、コミュニケーションなどの対人スキルが重視される。

ファウンダー自身が現地・現場に行き現物(カスタマー)と対話と観察をする三現主義を徹底しなければいけない。

「カスタマーに対する理解が深まるにつれて提供するプロダクトの質がどんどん上がる」

面倒な作業だからこそ、差が生まれるのである。

 

CPFの終了条件は

・課題が存在する前提条件をしっかりと検証し、課題が存在することが確認できたか。

・課題を持っている顧客イメージを明確にできたか。

である。



コラム 創業メンバーは課題が腹落ちしているか

 

スタートアップは人生を賭けたプロジェクト。創業メンバーは人生の盛りある時期をスタートアップに10年と費やす覚悟が必要だ。アイデアの検討をしている段階までは良いが、課題仮説の検証を始める段階から、メンバーは自分たちに「自分は人生をかけてこの課題を解決したいのか」と質問を投げかけることになる。

ビジネスとして儲かりそうとか、スタートアップが流行っているからといった一時的な動機では今後のPMFを実現するための厳しい道を乗り越えられない。この時点で熱意のない人が創業メンバーに入るとのちの仲間集めや資金調達に支障をきたす。

 

創業メンバーは課題に対して非常に強い共感を持っていることが成功するための必須条件。

このため課題に対する熱意の強さでふるい落としが起き、メンバーが入れ替わるのは自然なこと。

スタートアップは仲良しの集まりでなく、荒波を一緒に航海するメンバーであることを忘れてはならない。

スタートアップにとっても良いファウンダーの条件は

・自分ごとの課題を解決した思っている

パラノイア的(1つのことをひたすら考え続ける)な要素を持っている

・構築したい理想のUXの明確なイメージがある

・BtoBでは想定カスタマーと強いつながりがある

プロダクトマネジメントの経験がある。

・発想に柔軟性がある。

特に重要なのが上2つ。自身がカスタマーの痛みを代弁しないと良いサービスは作れないし、goodではなくbestを提供するというこだわりがないと市場の独占はできない。

 

今回は以上です。

次回は第3章「ソリューションの検証」に移ります。

「3−1UXブループリントを作る」です。

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起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part5

こんにちは、ひろぞうです。

今回で第2章「課題の質を上げる」に入ります。

前回の「1−4リーンキャンバスを用いてplanA(最善の仮説)を作る」の続きです。

 

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2−1課題仮説を構築する

 

課題の質を上げる

 

前回リーンキャンパスで作成したビジネスモデルのPlanAはあくまでオフィスのあるビルから飛び出してユーザーと話す前の仮説。

顧客が実際にその課題を抱えているのか、生の声を聞きながら検証して、単なるアイデアを質の高い課題へと磨き込む。

これはPMF(Product Market Fit、人が欲しがるものを作れる状態)達成の大前提である。

確かに課題検証は面倒臭く、多少の時間を要するがPMF達成というプロジェクト全体で見たときにはここに時間を費やすことに大きな意味がある。

それはデータでの表れており、米スタートアップGenomeが3200社のインターネット系スタートアップを対象に行ったアンケートによると、PMFを達成したスタートアップの8割

はCustomer Problem Fit(CPF)のステージで「課題の発見と検証」にフォーカスしている。

一方で失敗したスタートアップの74%が初期の段階で「プロダクトの検証」に時間を割いている。つまり、課題の検証に対しては十分に時間をかけていない。

 

前章で「一見悪く見えて本当は良いアイデア」が大切だと言ったが、本当に良いアイデアかどうかは課題検証のフェーズで確かめることになる。

 

まず最初に、スタートアップの初期段階で重要な質問は「想定したカスタマーの課題は本当に存在するのか」というものだ。

確かにソリューションとなるプロダクトを作っている方が楽しい。ただ、それ以上に社会の課題を解決することへの充実感、顧客からの喜びのフィードバックをもらうことの充実感に着目することが大切。

「自分が認識している課題は他人も同様に認識している課題だろう」と思いこむと足をすくわれかねない。

 

人には確証バイアスがあり、自分のみたいように現実を見てしまう。特に起業家は自己主張が強かったり、独自の成功パターンを持っている人が多いのでより当てはまる。

「自分が想定する課題仮説やソリューション仮説は反証されることを前提に臨むべき」

 

MVP(実用最小限の商品)を作るのには数ヶ月かかるため、後戻りする羽目になったらその数ヶ月を戻ることとなり大きな痛手。なのでMVPを作る前にPlanAの作成(1章)、Customer Problem Fit(CPM)(2章)、Problem Solution Fit(PSF)(3章)の順番を減ることで無駄なMVPを作ることを避ける。

 

ペルソナを想定する

 

ではどのようにして課題を検証していくか。

最初のステップはマーケティングの定石であるペルソナの想定。重要なのはリアルな人物像を思い浮かべること。

具体的には

年齢、名前、職業、性別、趣味、生活スタイル、居住地、出身地

どのようなメディアから情報を仕入れるか、気になっている話題

どういう性格か

行動の特徴、ITリテラシー

仕事

何を課題に感じているのか

何を達成したいのか

本音ではどう思っているのか(承認欲求を求めているかなど)

 

ペルソナは一度決めて終わりではなく、フィードバックを得るたびに修正して臨場感のあるものにしていく。

 

ペルソナを設定をする目的3つ

1つ目はプロダクトの設計を人間中心、課題中心にするため。

課題に関するストーリーを明確にできると、リアルな心理描写を深いところまで想定できる。

2つ目はあるゆる人に気に入られる、という無駄な考えをぬぐい去るため。スタートアップの限定市場ではいかに独占できるか、特定の人に圧倒的に支持されることが必要なのでそのカスタマー像を定めるのにペルソナが必要。

3つ目はチーム内でイメージを共有するため。各自のイメージするカスタマー像が異なるとコミュニケーションが難しくなり、結果としてプロダクトの作り直しにもなりうる。

爆発的にヒットしたホンダのバイク「スーパーカーブ」はそば店の配達員をペルソナとして、簡単なギアチェンジやまたがりやすいデザインを生み出した。

ペルソナを定めることで課題仮説の検討スペードを上げることにつながる。

 

架空の人物を想定するのに変数はたくさんあるので「場所」「時間」「イベント」といった文脈を絞り込む。それによって明確にペルソナが不便、不満を感じている状況を浮き彫りにできる。

airbnbは大統領選というイベントの文脈で、宿の確保に困っているペルソナの特性を考えた。

 

ペルソナが変われば接点の設け方もガラリと変わる。

クックパッドの佐野陽光社長「サービスの送り手というのは知らず知らずのうちにお客様に甘えてしまう。送り手側が、これくらいできて当たり前だよね、ということを思ってしまう。」

カスタマー視点から徹底的にプロダクトを磨き込むことが大切。

 

ペルソナを深掘りするのに使うのがエンパシーマップ。

何を考え、感じているのか

何を周りの人から聞いているか

環境に対して何を見ているか

何を言って、行動しているか

どんな痛みを感じているか

何を得たいのか

を細かく想定する。



カスタマーの体験に寄り添う

 

ペルソナを設定してもその役回りをペルソナ像に演じさせてしまうことがしばしばある。

それを防ぐために行動をステップバイステップのストーリーに落とし込んだカスタマージャーニーを作る。

創業者の重要な資質の一つはストーリーテラーになること。つまりカスタマー目線でストーリーをありありと語れること。

カスタマージャーニーを作るメリットは

・ペルソナを動的に描写することで見逃した事実に気づく

・チームでの共通理解が深まる

・特定の状況下の特定の行動について議論できるので、論点がより具体的になる

・メンバーがそれぞれのジャーニーを描くことでお互いが見逃していた視点に気づける。

 

作る手順

0ペルソナの確認

1ペルソナの目標を考える

2大まかな行動ステップを書き出す

3詳細な行動を書き出す

4行動の裏にある思考を書き出す

5ペルソナが接する人やサービスをリスト化する

6感情を書き出す

7現状の課題点を書き出す

 

マッピングの際のポイント

・全員が要素を追加したり動かせるように、付箋を使う

・行動や思考に関するアイデアをまず単語ベースで付箋に書き出す

・付箋を壁に貼りだし、メンバーに説明してフィードバックをもらう

・最初から完全なものを作ろうとせず、定期的に更新する

・カスタマーの痛みを見つけるツールであり万能でないことを認識する

・カスタマーの意識を感じるように心がける

 

今回は以上です。

次回は「2−2前提条件を洗い出す、2−3課題〜前提の検証」です。

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起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part4

 今回は前回の「1−3アイデアの蓋然性を検証する」の続きです。

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1−4リーンキャンバスを用いてplanA(最善の仮説)を作る

リーンキャンバスをとりあえず何個も作ってみる

リーンキャンバスとはスタートアップのビジネスモデルなどをビジュアル化するツール。

https://kigyotv.jp/news/lean-canvas/より

 

重要なのは課題、顧客である。

現時点で課題は検証前の仮説であることに注意をする。

顧客は臨場感のあるペルソナ像を考えることがポイント。

独自の価値提案では、誰かが見つけて顕在化している課題ではなく、だsれも見つけていないが隠れたニーズがありそうという潜在的な課題の候補を見つけるのがポイント。

ソリューションの詳細は現段階でこだわる必要はない。

チャネルは顧客にリーチする経路。

収益の流れでどのような課金体系になりうるのか考えてみる。

コスト構造は特に初期投資の必要なフィンテックやバイオテクノロジーで重要。

主要指標でオススメなのはAARRR指標(海賊指標)。現段階で注目すべきなのはactivation(顧客の活性化),retention(顧客の定着)。

圧倒的な優位性は、アイデアの検証段階で埋められなくても問題ない。具体的には内部情報、専門家の支持、ドリームチーム、ネットワーク効果、既存カスタマーなど。

 

スタートアップのシード期には体勢の整った事業計画書はいらない。リーンキャンバスのように簡単にかけて、簡単に共有できるツールを使って効率よくplanAを作成することが大切。

「スタートアップにとって最も貴重な資源は時間である。リソースがなくなる前に最も多く学習した者が勝つ」

planAの作成は学習を加速させるのに必須となる仮説構築である。

 

リーンキャンバスの見直し

リーンキャンバスはその時点での最善の仮説なので継続的に見直す必要がある。

その作業は、ファウンダー一人ではなくて、創業メンバー全員を巻き込んでやるべきである。大事なのはメンバーが当事者としてアイデアの磨き込みに貢献することによって納得感とアイデアの「自分ごと化」ができること。

 

イデアの最適解を見つける手順としては

1リーンキャンバスで複数バージョンのplanAを作る

2それぞれのplanで最も不確実性の高い項目は何かを理解する

34段階でそのplanを検証する(課題を理解する、解決策を定義する、定性的な検証をする、定量的な検証をする)

このプロセスを経て、最終的に全ての項目で納得のいくリーンキャンバスが出来上がったら、それがビジネスモデルの原型となる。

 

事業のピボット

検証の結果これまでの方向性ではPMFができる蓋然性が低いと判断した場合にはピボットを行うことになる。

スタートアップはリソースが尽きて時間切れになる前にピボットを繰り返して勝ち筋へとつながるビジネスモデルを見つけなければいけない。

「ピボットはビジョンを変えずに戦略を変えることである」

実際スタートアップの66%が当初のプランを大幅に変更している。

リーンキャンバスなどを使ってメンバー間でアイデアを共有しておくとピボットの理由がより明確になってメンバーがチームを離れることも少なくなる。

スタートアップ全体の方向性を指し示すビジョンは後からピボットできないことをファウンダーは当初から強く意識しておくべき。創業メンバーが一生をかけても良いと思えるビジョンを見つけることができるかが、成功に近づく大きなポイント。

 

スタートアップがサービスでPMFを達成するまでの道のりはかなり険しい。

顧客の抱える課題の仮説を立てて、直接話して課題について学び、顧客の本音を知るためにMVP(プロダクト)をリリースし続ける。こうしたことをスタートアップは手元資金が尽きる前に繰り返し行わなければいけない。



1章コラム サイドプロジェクトでアイデアを練る

 

第1章ではアイデアを検証するフェーズについての解説をした。

これらの知識は実際にオフィスを飛び出して顧客と直接話す前の準備段階で理解しておいた方が良い。

リーンキャンバスを作ったり、顧客の話を聞いてリサーチしたりすることは週末起業のようなサイドプロジェクトで十分対応できる。

こうしてアイデアを検討した結果、起業しないことが最善策になるケースも多い。アイデアを磨く段階では会社は登記せずにサイドプロジェクトで行動を始めた方が良い。

 

「スタートアップのアイデアを得る最良の方法はスタートアップのアイデアを考えようとしないことだ」

事業のアイデアのヒントは日常生活の中にあることが多い。

日々の気づきや心の奥底で感じた本音を逃さずに突き詰めると、スタートアップの優れたアイデアにつながりやすい。

 

実際に多くのスタートアップのアイデアはファウンダーが定職についているときに生まれている。ジェフベゾスは金融機関に勤めながらECにチャンスがあると気づいた。多くのファウンダーが定職があって余裕がある中でのサイドプロジェクトとしてアイデアを考え始めている。

定職につきながら進めるサイドプロジェクトも1個である必要はない。複数を同時に走らせて、一部を実際に動かすことだって可能。

 

「どうせやるんだったら追い込んだ方がいい」東夷のはスタートアップでは逆効果。

良いアイデアは追い詰められるから出てくるものではないのである。また、結果を追い求めるあまり課題を検証することが疎かになってしまうというデメリットもある。

 

良さそうなアイデアを思いついたら

「そもそもこの課題は本当に存在するのか?今存在する代替案で解決できれば十分ではないのか?」という余裕のある視点を持つことができる。

「まず初めにすべきはアイデアを練ること。スタートアップを始めるのはその次です。」

 

この段階で会社を立ち上げないほうが良いもう一つの理由は人材のミスマッチが起こるため。初期メンバーの相性を見極める前に会社を立ち上げて株を折半したらもう取り返しがつかない。

お互いにビジョンを共有できるか、スキルや経験を補完しあえるかなどを見極めることが求められる。

 

さらに会社を早くに作ると事務作業やコストも発生して会社の維持自体が目的化してしまうことがある。

ビジネスの方向性が見えるまでは会社登記せずにプライベートなプロジェクトで進めることが肝心。

サイドプロジェクトを企業で採用している例としてはgoogleの「80/20ルール」。業務時間の80%は本業に当てて、20%は本業とは関係のないサービス開発に当てるというものだ。サイドプロジェクトからはgmail,google mapなどが生まれた。

 

初期の段階では上下関係は基本的になく、フラットな議論をすることが重要。

サイドプロジェクトを手伝ってくれる人を探したいならスタートアップウィークエンド、ハッカソン、アイデアソンなどのイベントに参加してみる。将来の共同創業者候補を探すことができるだろう。

 

今回は以上です。

次回は第2章「課題の質を上げる」に入ります。「2−1課題仮説を構築する」です。

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起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part3

 

今回は前回の「1−2スタートアアップのメタ原則を知る」の続きです。

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1−3アイデアの蓋然性を検証する

スタートアップにおけるタイミング

自分がやろうとしているアイデアが自分の人生をかけてまで取り組むに値するのかの判断を下す。

スタートアップの成功要因は「アイデア、プロダクト、チーム、エグゼキューション(実行方法)、タイミング」の5つ。

why you?と同じくらい大切なのがwhy now?

市場は常に変化している。狙う業界のエコシステムはより少ないリソースで多くのことを達成できるようになっている。だからここぞというタイミングがあれば素早く動く。

1983年のスタートアップがIPOに至った確率は52%だったのに対して1985年では18%と3倍も違う。わずかなタイミングの違いで振れ幅が変わる。

 

ベストなタイミングを掴むための1つの考え方としてプロダクトの進化が止まっている領域を探す。

進化が止まっている原因としては、規制、既存のプレーヤーの独占かもしれない。例えばエクセルは使い勝手に関わらず既存のプレーヤーの独占されている例。

 

自分のアイデアを「市場を再定義できそうか」と繰り返しとうことは、始めようとしている事業の潜在能力を検証するのに大いに役立つ。

車椅子を再定義したwhillや日焼け止めを再定義したsnappyscreen、送金を再定義したtransferwiseなどが挙げられる。

 

これからスタートアップを立ち上げるなら5年10年後に供給が圧倒的に足りなくなるものを考える。「未来に生き、欠けているものを作れ」

 

未来を予測する

10年後の社会を予測するためのフレームワークが「PEST分析」。

P:政治 E:経済 S:社会 T:技術

 

特に政治や法律の領域はビジネスの前提がひっくり返るような影響力を秘めているため非常に重要。

理想的には規制緩和の情報を早い段階で想定しておき、起きる前に課題とソリューションの検証を終え、PMFを達成できるところまで準備しておく。

すると規制が緩和した瞬間に一気にスケールできる。

 

経済動向としては、米国では平均所得は伸びているが貧富の格差は広がっていることを利用して貧困層をターゲットにした教育サービスや貸金サービスが考えられる。

 

社会環境としては人口動態や人間の嗜好性の変化を見る。例えば人口動態のトレンドを考えたときに需要に対して供給が少なくなる領域はどこかを考える。日本で言えば、2025年には約38万人の介護人材が不足すると言われている。介護業界は今がチャンスと言えるだろう。

嗜好性については米国では健康志向の人が増えており、ベジタリアンが新たな市場を作り出している。ビヨンドミートなどがその良い例。

 

政治経済社会は前時代のようなパラダイムに戻ることがあるので、予想が難しい。

一方でテクノロジーの進化は不可逆的で10年前に戻るということはない。

ムーアの法則半導体の集積率は18ヶ月おきに2倍になる)はそのよい例であり、他にも遺伝子解析のコストは14年で約7万分の1にまで下がったという事実もテクノロジーの不可逆的な進化を物語っている。

テクノロジーの革新は生活環境を根底から変えるだけのインパクトを持つ。ビジネスモデルを精緻にするためにもテクノロジーの動向は把握しておきたい。

また、新しいインターフェースによってコミュニケーションのあり方まで変わるかもしれない。

情報ソースとして有名なのがKPCBのInternet Trendsやフートスイートのレポート。

 

未知の未知がどうなるかという潮流を読み取り、積極的に情報を集めて投資をしていく起業家が次の世界を作る。

 

tech giantsの動きに注目することも大切。

5年〜10年くらいに1回シリコンバレーからとんでもない黒船がやってくる。1995年のウェブブラウザーや2007年のiphoneだ。次は音声認識インターフェースになるかもしれない。

 

ロードマップや買収を押さえることが重要。また事実だけでなく、そこで真因を考える習慣をつける。

 

イデアを検証するときpest分析などによる市場環境変化の理解は極めて重要。「本質的問題をあぶり出すには、まず対象の全体像を知る必要がある」大前研一

 

イノベーションのジレンマ

大手家電メーカーが既存の湯沸かし器の改善にこだわり続けて、ユーザーの求める価値以上の過剰機能の製品を出した結果、ティファールに湯沸かし器市場を奪われる、というような現象をイノベーションのジレンマという。

 

破壊的イノベーションとは従来製品の価値を破壊し、新しい価値を生み出すもの。

ブラックベリーガラケーが持続的イノベーションを行なっている間に、iphoneが登場。

ホテル業界が持続的イノベーションを行なっている間にaribnbが登場。

 

大企業が狙えない領域

スタートアップの強みはイノベーションを実現する機能を組織の中心におけること。

airbnbの創業者は初期の頃ユーザーからのクレームに対して全て自分で処理していた。顧客の声をダイレクトに聞くことで改善に役立てた。

 

世の中には顕在化されていない秘密がたくさんある。未来の世界を作っていくのは秘密を顕在化した起業家である。

 

YCの開催するデモデーはアイデアの宝庫。



TAMについて

ターゲットとなる市場を見極めるのに使われるのがTAM(Total Addressable Market)で対応可能市場のこと。

TAM=エンドユーザー数×その人がそのサービスに年間払う金額

スタートアップは誰もやっていないニッチな市場を見つけることが重要だが、対応する市場が小さくてはスケールした時の上限が限られる。一つの目安として、TAMは100億円以上。

「小さくてもいいので市場を独占せよ。競争は負け犬がすることだ」ピーターティー

インバウンドをやるにしても、旅行者向けのsimやコインに特化した両替機、カフェに荷物を預けられるサービスがよい。

それが達成できるとその領域のビジネスは会社にとって金のなる木になる。

そこまでいったら周辺市場に参入してTAMを広げていくのが堅実で成功確率が高い。

 

今回は以上です。

次回は「1−4リーンキャンバスを用いてplanAを作る」です。

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起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part2

 

今回は前回の「1−1スタートアップにとっての良いアイデアとは」の続きです。

 

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1−2 スタートアップのメタ原則を知る

スタートアップとスモールビジネスの違い

1成長方法:スタートアップはキャッシュが一旦右肩下がりに落ち込んだ状態からjカーブを描き、成功した暁には巨額のリターンを短期間で産む。スモールビジネスは従業員を増やしたり、店舗を拡大したりするなどして初期から一次関数的に成長していく。

 

2市場環境:スモールビジネスはすでにある市場をターゲットにする。一方でスタートアップは市場が存在するのか確認されておらずその前段に当たるアイデアの発見と検証から始める必要がある。市場が不確実であるがゆえ、参入のタイミングが重要であり、なぜ今やる必要があるのかという問いに対して合理的な説明が必要。

 

3スケールへの姿勢:スタートアップはある一定の規模を超えた瞬間にネットワーク効果と規模の経済性が働き、一気に市場を席巻して二次曲線的に成長することが運命付けられた取り組み。

 

ステークホルダー:スタートアップに資金提供するのはVCやエンジェル投資家であり、スモールビジネスに資金提供するのは銀行や信用金庫。VCは出資した額に対するキャピタルゲインを求めるので一気にスケールする可能性のあるスタートアップしか相手にしない。金融機関はインカムゲインを求めるので業績をベースにした堅実な収益予測の立つビジネスモデルしか相手にしない。

 

5対応可能市場:商圏が限られているビジネスはスタートアップではない。地理的制約があると指数関数的に成長できない。

 

イノベーションの手法:スタートアップのイノベーションは既存市場を覆す破壊的なものが多い。一方スモールビジネスは既存市場に対して着実な改良を加えていく持続的イノベーション

 

スタートアアップは「スケーラブルで再現性のある利益を生み出すビジネスモデルを模索する一時的な組織」。つまり、スタートアップはpmfを達成してスケールする段階になったら、経営効率を追求する一般企業に変わる必要がある。

pmfを達成してユニットエコノミクス(一人当たりの採算性)を健全化できたら大企業が参入してくる前に一気にスケールして市場を席巻するのがスタートアップの戦略。

 

スタートアップ創業者は97%のことにNOという必要がある

成功するために避けるべき行動パターンは以下

1詳細なビジネスプランを作る

最初の思いつく課題仮説やソリューション仮説は顧客のフィードバックを得てガラリと変わることも多い。プロダクトのスプリント(継続的な改善)やピポットが日常的に起こる。

詳細なプランを作るとそれを達成することが正解だという前提で進んでしまい、課題仮説やソリューション仮説を検証することが徹底できなくなってしまう。

 

2正確なファイナンシャルプロジェクションを用意する

PMF前に資金面の計画を作ろうとすることも無駄。売り上げの見通しが高まるシリーズA,Bの投資を受ける段階であれば重要になるが、アイデアん検証をしているようなシード期では意味がない。

 

3精緻なリポートにこだわる

定型的な考察は結果報告は必要なく、顧客意識の深掘り、潜在的課題の発見、市場に隠れていそうなアイデアのヒントなどを探していち早くメンバーに報告することの方が重要。

 

4まあまあ好かれるプロダクトを大勢の人向けに作る

ターゲットとする市場で圧倒的なシェアを取るためには、大勢に対してまま評価されるのではなく、一部の人に熱狂的に好かれるプロダクトを作る。

 

5詳細な仕様書の元に開発する

いかに早くスプリントのサイクルを回せるかが勝負になるので詳細な仕様書などいらない。

仕様書をかくと顧客から離れた存在となってしまうので、チーム一丸となって顧客と対話し続ける方が大切。

 

6最初に想定したビジネスモデルに執着する

スタートアップのビジネスモデルは顧客の反応によって常に覆されることを前提に作っていく必要がある。

 

7競合を意識しすぎる

いくら競合の動きを追っても独自の顧客インサイトを見つけて競合に優位に立つことはできない。

 

8差別化を意識しすぎる

作り手側のロジックになってしまうことが多い。

 

9nice to haveな機能を追加する

大きな課題を解決できるmust to haveな機能に絞って徹底的にその実現に取り組む。

 

10最初からプロダクトデザインやユーザビリティーの細部にこだわる

完成度70%くらいでローンチして顧客のフィードバックを得る

 

11最初からシステムの自動化を行う

最初からスケールするときのことを考えるのではなく、最初は検証に時間をかける。

検証が十分にできてからプロトタイプの開発を行う。

 

12ビジネスモデルが出来上がる前から積極的に人を誘う

ビジネスモデルを模索しているPMF前の段階では、その会社で必要なプロセスやメンバーの役割分担の切り分けは不透明な状況が続く。ビジネスモデルが変われば、人材の質や配分も全く変わる。よってビジネスモデルができていない段階で積極的に人を雇うのは誤り。

スタートアップはファウンダー、そして社員10人程度までの初期段階ではメンバーがどんな仕事でも分け隔てなく全てするという気概が必要。仕事を選んではダメ。

特に、特定のスキルに秀でた人材を早くに雇うとそれがソリューションそのものに直結し、ソリューションドリブンになってしまう。ピボットで必要要素が変わる前提にメンバーの人選を行う。

例えば、市場検証のために機能を最小限に絞った製品(MVP Minimum Viable Product)を作る段階で画像認識アルゴリズムの専門家をチームに入れて、後から音声認識のが重要となったら無駄になってしまう。そういう意味で技術全般を幅広く理解できる汎用能力の高いCTOを招き入れることは非常に重要。

 

13直接関係のないネットワークイベントや飲み会に参加

起業家がまず会いにいくべきは顧客であり、次は自分と一緒にスタートアップに参画してくれそうな仲間である。

 

14経歴が立派な営業責任者や事業開発担当者を雇う

それなりのお膳立てが必要となりハイリスク。必要なのはマネージャーではなくDoer。

 

15ビジネスモデルの検証が終わる前にパートナーシップや独占契約を結ぶ

少数の受託契約で事業を回す下請けになってしまうことが多い。特定の企業との関係性に依存するのはハイリスク。

 

16セールスよりもマーケティングにフォーカスする

プロダクトを磨き込んでからメディアに取り上げられないと、不完全な状態で世に知られることになる

 

17仕事の役割を厳密に設ける

メンバー間の密なコミュニケーションが大切で、得意不得意のみを基準にした縦割りの役割分担を持ち込むべきではない。創業メンバーは事業に関する全てを常に学び続ける必要がある。

 

18NDA(機密保持契約)を結ぶ

投資家とスタートアップの世界は紹介文化。情報交換の兼ねた投資家同士のコミュニケーションは盛んに行われている。

またアイデア自体には意味がない。「アイデア自体は安いもので、それをどう実現するかがプロダクトの価値の全てだ」この視点を忘れてはいけない。

 

19受託開発や業務委託を必要以上に受ける

IT系のスタートアップが運転資金を確保するために受託開発やコンサルティングをやるのは正当化できる。しかし、間違っても本業をおろそかにせず、長期のプロジェクトは避ける。

できるだけ早いタイミングでリーディングアベニュー(本業からの売り上げ)に軸足を移す。

 

20業界専門家のアドバイスに頼る

最終判断はオーナーがするもの。

 

21VCに積極的にアプローチする

PMFを達成してトラクション(推進力)がある程度出てくるまではVCに積極的にアプローチしたりピッチイベントに登壇したりする必要はない。

PMFを達成して事業がスケールできる蓋然性が高くなった時に、調達を始めた方が交渉を圧倒的に進めやすい。

そもそも有望なスタートアップはVC界隈で噂がすぐに広まるのでVCから声をかけてくる。VC側から自然にオファーがくるくらいまでプロダクトを必死にみがきこむことが重要。

課題とソリューションの検証が済んで、方向性が見えてから資金調達を本格化する。

 

最大効率で結果を出さないと淘汰される運命のスタートアップはfakejobをしている暇はない。fakejobとは本来必要のない仕事のこと。

「正しい問題に取り組む方が、一生懸命取り組むことよりもはるかに重要」

専念すべきはカスタマーが痛みを抱える課題の専門家になり、カスタマーに愛されるプロダクトを作るだけ。

 

PMFを達成する前はカスタマー自身も言語化できていない深い潜在的な課題に気づき、それを言語化、構造化して真因を見つけて、解決するプロダクトを作ることに90%の時間を割くべき。

 

PMF達成前は体裁を気にしない。スケールする段階になれば採用の兼ね合いで多少の体裁は大事になるが最初にフォーカスすべきはそこではない。

 

「スタートアップは極端に直感に反する」

従来の常識を無自覚に踏襲することは危険でむしろunlearn(念頭から払う)必要がある。

以下が念頭から取り払うべき従来の常識。

1正しい答えがあると思う

新しい問題の設定とそれに対するユニークな答えがスタートアップの目的

 

2上司にうまく報告する

報告書づくりなど不要

 

3多くの人から好かれようとする

自分を良く見せることや、認められないという承認欲求を捨てる。

 

4少しずつ改善する

コツコツと細かい改善を繰り返すよりも一気にピポットした方が良いケースも多い。

コツコツした努力が必要になるのはPMFへの勝ち筋が見えた後。

 

5多数の競争相手の中で1番になる

競争相手が少ない領域をせめて、そのニッチな市場を席巻することを優先すべき。

 

6予算消化

資金調達でまとまったお金が入ると気が大きくなって無駄な投資に走る起業家も多い。

投資家から不信感を買うことにつながる

 

7最初から広い市場を狙う

まずは小さな市場から独占するのが定石。

 

8うまくいかなかったことを誰かのせいにする

責任の所在を明らかにする必要はあるが、誰が失敗したのかにとらわれすぎると失敗を恐れる企業文化となってしまう。本当に大切なのはなぜ失敗したのか。

 

今回は以上です。

次回は「1−3アイデアの蓋然性を検証する」です。

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起業の科学を読んでそのポイントをまとめていく part1

 

今回は田所雅之さんの「起業の科学」という本の内容をまとめていきたいと思います。

この本は何回か起業を経験した著者が、1000人以上の起業家を取材し、起業に関する本を300冊読み、ブログ500本、公演動画1,000本を解析して、

「起業においてありがちな失敗をあらかじめ潰しておこう」というコンセプトで作られた本です。

 

本の内容がかなり濃くて、読むのに非常に時間を要しました。

それだけ得ることも多かったので、自分のための備忘録として、そして一度読んだことのある方に向けて復習用になると思いブログとして、内容の概略をここに記します。

内容がかなり多いので何回かに分割して記事として載せていきたいと思います。

 

まずはじめに、この本は大きく5章に分かれています。

 

1章 アイデアの検証

2章 課題の質を上げる

3章 ソリューションの検証

4章 人が欲しがるものを作る

5章 スケールするための変革

 

特にこの著書では、起業するにあたって世の中にある課題をしっかり考えて、課題の質を上げること、そしてそれに対するソリューションの質も上げていくこと。

この2つを徹底することが強調されており、重点的に解説されています。

 

今回はまずアイデアの検証からまとめていきます。

 

1−1 スタートアップにとっての良いアイデアとは

多くのスタートアップはPMF(Product Market Fit、市場で顧客から熱狂的に愛される製品のこと)を達成できずに失敗する。

それはプロダクトを作る前の段階でアイデアが十分検討されていないから。

ではスタートアップで最も重要なアイデアは何か。

それは課題ありきのアイデア。しかし、スタートアップでは儲かるアイデアやニッチなアイデア、先端技術を使ったアイデアが多すぎる。

目指すべきは課題の質とソリューションの質が両方とも高いアイデア。ではどのようにそれを見つけるか。

それは「課題の質を上げてから、ソリューションの質を上げること」

よってスタートアップを始める前に真っ先に注力すべきは、解決を目指す課題の質を向上させること。

「今検討しているアイデアは顧客にとって本当に痛みのある課題なのか?」

「このアイデアの妥当な代替案がすでに市場に存在していないのか?」

このように深掘りを繰り返すことによって価値のある良いアイデアとなる。

課題を軽視した例としてはグーグルグラス。顧客の課題は何なのかを明確にできていなかった。

 

課題の質は何によって決まるのか。

・高い専門性

・市場の知識

・市場環境の変化に対する理解度

 

他に課題の質を高める方法としては、自分が痛みを感じている課題を解決すること。

課題が見えたら、「もし魔法のランプがあって課題を解決してくれるソリューションがあったとしたら、どんなものがいいか?」

スマート保育園を行う「ユニファ」の土岐社長は日本全国の保育園を300箇所訪れて、ヒアリングを重ねている。

 

第3者の課題を解決しようとすることはできるだけ避ける。第3者の課題とは自分がそこまで共感や思い入れのない他人に課題のこと。強い共感を持てない課題は自分ごとにならず、痛みの検証が表面化になってしまう。そもそも自分が共感していなければ説得力がなく協力が得られづらい。

「誰がその製品を心の底から欲しがっているのか?」という質問に対してベストな回答は起業家自身である。

 

なぜここまで課題に共感することが必要か。

それはプロダクトを市場に投入するまでのフェーズでビジョンやミッションはスタートアップの最大の競合優位性になるから。ユーザー、企業メンバー、投資家。いずれもファウンダーが語るビジョンとミッションに引かれて集まる。つまり、これらを語れないファウンダーの音には魅力的な人材が集まらない。

また、スタートアップの歩む道のりは想像以上に辛い。強いビジョンがあると高いレジリエンス(メンタルの回復力)になる。

 

自分ごとの課題になっているかを確かめるには、「その課題にストーリー(原体験)があるか」と表現できる。ユーグレナバングラデッシュに訪れたことが原体験。

 

誰が聞いても良いアイデアは避ける。

周りからネガティブなフィードバックが集まる状態をマーケットがまだ定義されていない状態として、事業を手がけるチャンスだと考える。

paypalのピーターティール氏は「競争は負け犬がすること」だと言っている。

価格競争となれば資金力のある大企業に負けてしまう。

だからこそ、アイデアを話してみて相手がコメントに戸惑ってしまうようなもので、課題が未解決のものにフォーカスすることが大切。

大企業は既存ユーザーの既存の課題に対してソリューションを提供するので、それはスタートアップがやるべきことではない。

スタートアップは課題の検証からスタートして、前例のない解決策を考える必要があるので茨の道である。

「スタートアップではハードなことをする方が実は近道である。簡単な道を選ぶことは結果として遠回りになる」

 

成功する人は他の人が知らない秘密を知っている。

クレイジーなアイデアはまだ誰も言語化できていない秘密を見つけることで生み出される。

インスタカートが成功したポイントは「買い出しは自分で行うもの」という通例に疑問符を打ったこと。

 

最近はパラダイムシフトが高速化してプロダクトの旬が短くなっている。これだけ世の中の動きが早いと後から自分たちがやろうと後追いしても遅い。

だからこそ、一見悪そうに見えるクレイジーなアイデアが良いアイデア

 

新興国市場で先に磨いたプロダクトを先進国に持ってくることをリバースイノベーションという。これもパラダイムシフトの高速化に一役買っている。

 

ロイヤルティループとは製品を知った人がそれを気に入って、ユーザーとして定着して使い続けてくれるまでの流れの輪。従来は認知、興味、欲しい、記憶、購入というaidmaモデルだったがネット系のサービスに関してはaidmaのループを回している暇などない。

ほとんどのサービスで最初の1ヶ月無料というフリーミアムが定番化した。

気軽に使う中で本格的にユーザーが定着するという新たなループが生まれた。これによって顧客との接点が増え、サービスに対するフィードバックも高速で集められるようになる。

 

スタートアップが避けるべき7つのアイデア

1誰がみても最初から良いアイデアに見えるもの

すでに誰かが手がけて失敗している可能性が高い。ないならpmfに至る勝ち筋がなかったり、十分な代替案が存在している。

 

2ニッチすぎる

現状はニッチでも将来的な成長が見込める市場であるべき。

 

3自分が欲しいものではなく、作れるもの

 

4根拠のない想像上の課題

自分が詳しくない分野で課題を明確しないで行うと、たとえクラウドファンディングでお金が集まっても、結局スケールできない。

 

5分析から生まれたアイデア

市場を俯瞰して空いている部分を狙うというロジカルなトップダウンアプローチを試みても、ファウンダーの思いがかけていると失敗するケースが多い。

 

6激しい競争に切り込むアイデア

大手企業との価格勝負の持久戦にスタートアップが勝つことはできない。

 

7ひとことでは表せないアイデア

誰のどのような課題をどのように解決するかを一言で表せないアイデアは磨き込みが足りない。

 

今回は以上です。

次回は「1−2スタートアップのメタ原則を知る」です。

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筋肉丸わかり大辞典を読んで筋トレのポイントを探る

こんにちは、ひろぞうです。

 

皆さんは筋トレをしていますか。

自分は昨年アメリカへ留学へ行ったことをきっかけにそこから筋トレを始めました。

アメリカのジムは日本とは比べ物にならないくらい大きく、設備も充実しています。大学には四階建てのジムだけの建物があり、図書館よりも大きかったです。

自分の大学のジムはとても小さいので、もっと大きなものを作って欲しいと願っています。。

さて、今回は石井直方さんの著書「筋肉丸わかり大辞典」に書かれている筋トレのポイントをまとめてみました。

夏に向けて筋トレを始めたいと思っている人はぜひ、正しいやり方を知ってから始めてみましょう。

 

筋細胞の性質

・筋細胞は腸管の上皮細胞などと違って新しいものは作られない。

 

筋トレの頻度

・多少の筋肉痛があってもトレーニングの頻度を上げることは筋力アップにおいて大切なこと。

・同じ部分の筋肉を鍛えるなら最低48〜72時間は開けたほうがいい。

 

食事

・ギリギリ限度の栄養補給では筋肉は太くなりにくいので多少の脂肪がつくのは我慢して全体のカロリーを多めにとることが大切。たくさんトレーニングしてたくさん食べてしっかり筋肉を回復させるのがベスト。

・3ヶ月で20%筋肉を増やせたと言うデータがある。70キロの場合体重の40%=25キロの筋肉量があったとすると、5キロくらいの筋肉量が増える。

 

筋トレとメンタル

ミオスタチンは筋肉の成長を抑制する作用を持つが、トレーニング時に下がることで筋肉の成長を促す。

・精神的に興奮するとアドレナリンが分泌。これが筋肉増強作用に効果がある。アドレナリンがたくさん分泌されれば筋肉はより強く太くなる。

・筋力アップには気分が大切。気分が高まってからトレーニングをすると良い。

 

筋トレと日本人

・日本人は大胸筋やふくらはぎに優れている

 

筋トレのやり方

・重さの尺度にRMがある。1RMは1回しか上げることのできない重さ。

80%1RMとは1回に挙げられる重さの80%という意味

80%1RMは8RMに相当し、8回あげることのできる重さ。

90%1RMは4RMに相当し、4回あげることのできる重さ。

筋肥大を目的とするなら8〜10RMがベスト

70%1RM(=20RM)では筋肥大が起こらないことがわかっている

・筋パワーは40〜50%RMで最も大きくなる

・多くても同じ筋肉では週3回まで

・セット数は最低で3回。大きく鍛えたいなら回数を増やす。大胸筋は5、6セット必要。

・コンセットリック(筋肉を収縮させて力を出す)は速く、エキセントリック(筋肉を伸長させて力を出す)はゆっくりが基本。

・1秒で上げて、3秒で降ろすと言うリズムを意識する。

・エキセントリックの方が筋肉が痛みやすい。うまく取り入れれば効果絶大。

・胸、背中、太ももなどの大きな筋肉から鍛えた方が良い。

・大きい筋肉を鍛えれば末端の筋肉も自然と大きくなる。

・フリーウェイトに比べてマシンの方が安全性が高いが、トレーニング効果はフリーウェイトの方が大きい。

・マシンの有効な使い方は、セット間のインターバルを30秒くらいにしてどんどん負荷を落としていくディセンディング法。

・マシンは特定の筋肉だけを使うのでインナーマッスルが鍛えられず怪我に繋がることもある。フリーウェイトと併用してつかうと良い。

・インターバルの目標は1分。

・大胸筋の上方を鍛えると胸全体が逞しく見える。これにはインクラインプレスが効果的。

・バーベルでベンチプレス→ダンベルでインクラインプレス→バタフライでバランスよく鍛えられる。

・スクワットは極めて全身運動に近い動き。バリエーションは無限大にある。一番大事な種目。

・腹筋は頭を上げる時にフーーーーと強く息を吐く。すると腹横筋も使うことになって非常に効率が良い。

・腹筋で頭を上げる時にひねりを混ぜると腹斜筋が鍛えられる。

・お腹を引き締めるには大腰筋を鍛える。階段一段飛ばしや、床と平行になるまで足踏みをすると良い。

・拮抗筋は同じくらいに鍛えるのが良い。

・背中が曲がるのは背中の筋肉が足りていないから。55歳を過ぎたあたりから背中と腹筋を鍛えた方が良い。

・背中の筋肉をつけるのに良いのはデッドリフト。上体を支えるために脊柱起立筋を働かせる。

・肩の筋肉にはショルダープレスかサイドレイズ。

ダンベルカールは8RMを3セット、週2回やれば良い。

・リストカールは30〜40RMを1セットやれば良い。

上腕二頭筋は可動域を広くとって全般にわたって力を出すトレーニングが向いている。

上腕三頭筋は肩の角度によって何種類かの動きを混ぜた方が効果的。

・首の筋肉は鍛えやすい。押してもらって耐えると言うように受動的な鍛え方。

・ベンチプレスを持つ幅は肩幅の1.6倍

・スクワットの足幅は肩幅くらい。ナロースタンスは股関節、ワイドスタンスは80センチ。

・重いトレーニングをした後に最後に50%1RMくらいでオールアウトするセットを1セット加えることをホリスティック法と言う。これをやると高出力のスタミナがつくと同時に成長ホルモンなどの分泌が良くなる。

・得意な季節にいかに伸ばすかが大切。1年のうちでは伸びる期間のが短い。

・昼過ぎから夕方ごろが一番適している。

・負荷を上げる時は体幹を固定するために息を吐く。

・スロートレーニングは4秒で負荷を上げて4秒で下げる。

・50%1RMくらいでも確実に筋肉が太くなる。

・重要なのは筋肉の力を抜かないこと。伸ばした時に関節でロックしてしまうのではなく、伸びきる手前で止めて完全に脱力するフェーズをなくす。

スロトレは加圧トレーニングを筋肉の力によって血管を収縮させることによって行なっている。

・アイソメトリックとは筋肉は収縮しているが筋肉の長さは等しい状態。

・バランスボールなど不安定なところで負荷を持ち上げると体幹のインナーがしっかりする。

・もう上がらないと思ったらしめたもの。そこからどれだけ頑張れるかで筋力アップの効果が大幅に変わってくる。

・トレーニング日を変える時は上半身・下半身で分けると良い。その方が精神的にも楽

・3ヶ月筋トレをすると20%ほど筋肉アップ、そこで運動をやめると3ヶ月で衰える

・筋力を維持するには週1回のペースでトレーニング。

 

筋トレとリズム

・脳の活性化には自分でリズムを作り出すリズム運動が効果的。一番効果があるのが腹式呼吸。1分間に4、5回目を閉じて腹式呼吸を行うと良い。

・自分なりのリズムで行うウォーキングや一定のリズムで食べ物屋ガムを噛むのもいい刺激になる。

アリストテレスは歩くと全ての問題が解決すると言っている。

 

まとめ

以上が筋肉丸わかり大辞典の要点のまとめとなります。

少しでも役立ちそうな知識があったら、ネットで調べるなどして知識を深めてみてください。

もちろん本格的にやりたいと考えている人はこの本を買うことをオススメします。

筋肉の性質という基礎的なところから実践的なやり方まで詳しく解説してくれています。

それでは、take it easy.

「お金2.0」を読んでこれからの経済について考えてみる

 

今回は佐藤航陽さんのお金2.0を読んで、お金の本質は何なのか、これからの経済はどうなってゆくのかをまとめてみたいと思います。

この本に書かれていた要点を箇条書きでまとめていきます。

一度読んだことがる方はリマインドとして使っていただけると幸いです。

 

お金2.0 佐藤航陽

・多くの人生の悩みは、人間関係・健康・お金である。

 

・現実は3つの異なるベクトルで構成

「お金、感情、テクノロジー

 

・世の中は連立方程式みたいなもの。

1つの数字をいじると全体に影響、複数の式が連動して1つの答えが出る。

 

・実務の世界では机上の空論は全く通用せず成果につなげることで初めて生きたノウハウになる。

 

・経済は欲望のネットワーク。

その欲望とは、本能的欲求、金銭欲求、承認欲求。

 

パレートの法則

上位2割が全体の8割を支える。

 

・上位1%の富裕層が世界全体の48%の富を所持。

上位80人と下位35億人の所得が同じ。

 

・経済システムは自己発展的に拡大していくような仕組み。

誰か特定の人が必死に動き回っていないと崩壊するような仕組みでは長くは続かない。

 

フェイスブックは人が人を呼ぶ仕組みである。

 

・発展する経済システムの5つの要素

インセンティブ 参加者に何かしらの報酬がある

特に3M(儲けたい、もてたい、認められたい)を満たすようなシステムは急速に発展しやすい。

2時間によって変化する(リアルタイム)

3運と実力の両方の要素がある(不確実性)

4秩序の可視化(ヒエラルキー)目に見える指標がないと自分の立ち位置がわからなくなる。

優位なポジションを手に入れたものはその地位を守ろうとするので強制的に新陳代謝を促すシステムが必要。

5参加者が交流する場がある(コミュニケーション)

交流、議論の場があることによって全体が1つの共同体になる。

 

・最初から完璧なシステムを作ろうとせずに寿命が存在することを前提にして寿命が来たら別のシステムに参加者が写れるような選択しを用意。

 

・参加者が共同の幻想を抱いている場合にシステムの寿命は延びる。

 

・価値観を共有している場合は多少の軋轢があってもお互いに譲歩できるので結果的に利害のみでつながるシステムよりはるかに長続きする。

 

・営業売上の強い会社では壁に目標数値との差や競合との比較、個人の成績が全員に可視化されてモチベーションになっている。

 

・メンバーの仲がよいと、仕事などでトラブルがあって悩んでいるときでも気軽に声をかけやすくなる。

 

・一見意味のない時間を一緒に過ごした人ほどそのあとに深い関係を築きやすい。

 

・魅力的な企業は

働く人に高い金銭的報酬と社会的報酬を与えて、激しく変化を繰り返し、数字や役職などの秩序を可視化し、明確な理念をメンバーに浸透させる。

 

snsは承認欲求を満たすので伸びる。

 

・ユーザーの反応を見ながら新しい機能をスピーディーに追加していき、反応が悪かったらすぐに消していくというアップデートを繰り返す。

 

・サービスが毎日毎週毎月変化する企画があることで、サービスが気になるようになって何度も訪れてくれる。

 

・貢献度に応じてヒエラルキーを作る。

 

・アイデアで勝負する時代から、ユーザーや顧客も巻き込んだ経済システム全体で勝負する時代に変わっている。

 

・小米

ネット販売に絞り、製造数を抑えることでプレミアム感をだした。

強烈なビジョンと高品質な製品に魅せられたファンをたくさん作った。

ファンがSNSで拡散したことでマーケティングコストを掛けずに多くに人に認知させた。

 

・脳は予測が難しいリスクのある不確実な環境で得た報酬により多くの快楽を感じやすい。

 

・他人より優位な状況にあることによって精神的な満足感を得られえる。

 

・経済が自然に似ていたからこそ経済がここまで発展した。

 

・会社のビジョンや理念が非常に重要

テセウスの船

 

・自然の性質と近いシステムがうまくいく。

 

・ある仮説が思い浮かんだらビジネスなどの現実世界に当てはめて実験してみることが大切。

 

・経済で最もインパクトのある現象は分散化。

 

・いままではハブが強い権力を持っていたが、全員がスマホで常時つながっている状態になると全体がバラバラに分散したネットワーク社会になる。

 

・テクノロジーによって経済は作る対象に変わった。

グーテンベルク活版印刷を発明してちしきの民主化が起こったのと同じ流れ。

知識そのものがコモディティ化されたのと同様に、今後はお金そのものもコモディティ化していまほど貴重なものとは考えられなくなる

 

・お金ではなくどのように経済圏をつくって回していくかというノウハウが重要な時代になってくる。

 

・消費経済ではなく資産経済がお金の流れの9割。

 

・お金はいろいろなところに滞留し始めていて投資先の方が枯渇している。

資金調達が容易な環境にあるために相対的にお金の価値が下がり続けている。

信頼、時間、個性が上がっている。

 

・一部の投資機関では従業員満足度調査のデータを投資判断の材料に使っている。

顧客データなどの情報の方がお金よりも大切。

 

・今後大切になるのはお金ではなく、それに換算される前の価値。

 

・価値の3分類

1有用性としての価値 リターンがあるもの

2内面的な価値 個人の内面にポジティブな影響を及ぼすもの

3社会的な価値 社会全体の持続性を高める

 

・資本主義の問題点は1のみを価値としていること。

・誕生日プレゼントやお土産も気にかけてくれているという好意そのものが価値。

 

評価経済では評価から評価を拡散力をてこに生み出していける。

 

・注目や関心と評価や信用を混合してはいけない。

 

・これからはソーシャルキャピタルを増やすのに長けた人も大きな力を持つ。

 

・社会の課題をビジネスで解決する=ソーシャルビジネス

例えば、グラミン銀行

 

スマホブロックチェーンのテクノロジーの普及によってこれらの会社の社会的な価値を軸にした独自の経済圏をグローバルでだれでも簡単に構築できるようになると、ソーシャルビジネスの考え方は一気に加速する。

 

・社会的に価値のある取り組みは利益化しやすくなっている。数十年後には営利、非営利という区別はなく全て価値という観点からとらえられる。

 

・経済には公益性が求められ、政治にはビジネスとしての持続可能性が求められるようになると経済と政治の境界が無くなってくる。

 

ベーシックインカムにより生活するためにお金を稼がなくなる。お金はあったら便利なもので、お金からは人の行動を変える魅力がなくなる。

お金を稼ぐ能力に価値はなくなる。

 

・これからは何に価値を感じてどんな資産を貯えて、どんな経済システムで生きていくのかも自分で選べる。

 

・様々な経済のありかたが実験され、複数の経済圏が競争と淘汰が起こる。

 

・複数の経済圏があれば既存のメインストリームの経済から外れても膨大な選択肢が与えられていることになり、選択肢があることによって多くの人がリスクを取って積極的に活動できる。

 

・個人と企業の大きな違いは資産。

 

・時間を資産にできるかも。

 

・時間はへっていくものなので使わなければもったいないと使うようになる。

 

・いまは多くの人が衣食住を満たされているため生きる意味を見付けられていない人が多いが、人生における意義や目的をもてる世界を作ろう。

 

・この世界では内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功する。

 

・この世界で活躍するためには他人に伝えられるほどの熱量をもって取り組めることを探すこと。

 

・起業家は誰かになろうとしたら終わり。

 

・自分の価値を高められるかが会社選びの基準に。

 

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医師がクリニックを経営する上でのポイントをまとめてみた

 

 

最近では若手の医師でも開業を希望する人が増えています。

しかし、何の戦略もなしに開業しようとすれば、医療が足りていない場所ならまだしも、東京などでは激しい競争となります。

今回は医師が開業をする上で、経営上のポイントを小暮裕之さんの「クリニック経営の成功法則」という本を参照してまとめてみたいと思います。

 

開業の心構え

医師は専門性の高い職人気質の職業であるが、医師とはいえど経営者にならなければならない。

というのも、最近では医師としての手腕が優れているから患者さんがきてくれる時代ではなくなった。

医師としての腕を上げて、いざ開業したものの失敗するケースも珍しくない。

以下に失敗するパターンを示す。

・失敗パターン1 

患者さんが来ない。そもそもPRや広告が十分に行われておらず、地域の人に認知されていない。また、明確なターゲットが絞られていないことも。

 

・失敗パターン2 リピート来院が少ない。通いにくい曜日や時間、予約システムが患者さんのニーズにあっていない。

 

・失敗パターン3 忙しすぎて立ちいかなくなる。全部自分でやろうとしてしまって、事業を縮小するか続けて体を壊すことになる。

 

以上のような失敗を避け、開業を成功させるためには何を意識すれば良いのか。

注意すべきポイントを以下に示す。

 

開業を成功させるポイント

差別化を図る

「こんな論文を書いた」、「これだけの肩書きがある」というのはほとんどの医師がやること。実際、患者さんはそれだけでなく「居心地がいい」「楽しい」といった様々な要素を加味して選択する。

医師としての職人気質だけではなく、他の分野についても広い知見を持ってクリニック独自の方向性を示す必要がある。

自分のタイプや方向性を自覚してビジョンを打ち出し、共感するフタッフや患者さんを詰めていくという考え方が重要。例えば、変化を好む理想主義者で常に未来を見ている人ならば、起業家としての学びを深め、斬新なサービスモデルを打ち出すことが差別化につながる。

 

顧客本位で考える

競争が激化した時に他のクリニックとの差別化が必要だが、それを図るには患者さんに提供できるオリジナリティのある価値が必要。

「自分の好きな医療を提供できる」というのは自分本位の考え方、そうではなくて顧客中心で考える。

開業するときは、最初に喉が乾いている人(=医療を求めている人)はどこにいるのか、その人たちに何を出したら喜ばれるのかを考えることが大切。他者のために何ができるのか、という視点を常にもつ。

 

組織を育成する

どんな人にどんな目的でどんな価値を提供するのか、というミッションやバリューの元に人を集めることが重要。

医師がワンマンで経営してしまうと、患者さんのために尽くすというマインドを持ったスタッフは採用できず、指示待ち人間しか育たなくなる。

これを防ぐには院長の思いを言語化して、共感してくれる人を採用する。同時に相手をコントロールしようとするのではなく、自分が信頼に足る人間になる。

winwinの関係になるために「7つの習慣」でいう、信頼残高を蓄える。

 

やるべきこと、やる必要のないことを切り分ける

必ずしも医師がやらなくて良いことは信頼できるスタッフに業務を任せる、という仕組みを構築することが大切。

その際になんの為にやるのか、という業務の意味を真に理解をしてもらうことで、スタッフもモチベーションを保って働ける。

マーケティングの手法

考え方としては、

1環境やマーケットシェアの分析

2ターゲットのセグメントやポジショニングの明確化

3ニーズに合わせて商品やサービスの内容を考える。

4誰に提供するのかを明確にして、欲しいものをヒアリングして、適したサービスを提供。

という流れ。

 

まずは理念、ミッションを決める。

例えば小暮さんの場合は、ミッションが働いているうちに変わっていった。

「国内の乳幼児死亡率が先進国でワースト2位という状況を改善したい」→「働く親御さんたちが笑顔で子育てできる環境を作り、2人目、3人目を産みたいと思って欲しい」→「笑顔で安心して出産や子育てができる社会を作る」

このミッションが経営に迷った時の判断の軸になるもの。また、採用でも重要な役割を持つ。

 

誰を顧客とするのか決める。

まずはどういう層の役に立ちたいのかを考える。たとえば小暮さんの場合、

「子供の健康を願う、働くパパとママ」とターゲットを決めたのち、「仕事が終わった後でも連れてこられる時間帯まで診療」「月曜日に仕事に行きたいパパとママのために日曜日も診察」などの方針を立てる。

 

開業エリアを決める。

先に決めた顧客層が多く存在することが第一条件。

具体的には、働くパパとママが多い地域をリサーチ。小暮さんは有明に小児科のクリニックを開業したのだが、有明は高齢者が少なく、20代後半から40代前半までの人が多く住んでいる。出生率が高く、小学生が多いという特徴がある。

地域事情をリサーチするのに役に立つのがマンションの広告。例えば広告で、保育園、小学校が徒歩圏内と育てやすさを押していれば、子供が多い。ファミリーマンションが多く建てられているところは将来的に子供が増えると予想できる。不動産業者は地域の事情をよく勉強しているので貴重な情報源。モデルルームの見学の際に、地域の医療事情を聞くと教えてくれる。

開業予定地を決めたら区画ごとに人口を書き込んで、クリニックからどのくらいの距離に何人住んでいるかを把握して、人口×受診率で水系の来院患者数を予測。

 

顧客のニーズを深掘りする。

リサーチに有効なのは地域に入っていくこと。町内会の人に挨拶をして地域のイベントに積極的に出させてもらう。イベントはニーズの把握だけでなく、認知を高めるのに有効。

「子育てに関する相談に乗ります」とイベントを出して、育児全般の悩みを引き出す。

他にも日常的に地域の人に話しかけて、育児にまつわる課題を聞く。

 

ニーズに合うサービスを設計

診療時間:日曜日に診察。親に月曜日から仕事をしてもらったり、子供が月曜日から登校できるように。昼休みは保育園からの呼び出しが非常に多く、休みを取って保育園に迎えにいった親からの診療ニーズが非常に高い。スタッフ交代制で休むことにより、受け皿を確保。

 

予約システム:時間帯での予約によって待ち時間をできるだけ少なく。ただ急患にも対応できるようにある程度余裕は持たせる。

 

かかりつけ医登録システム:4回以上の受診で登録可能で、診療時間外でも電話診療可能。いざという時にいつもの先生に相談できる。

 

大人も診察:子供と一緒に見てらいたいニーズ

 

他にはない付加価値を作る

・「事故予防」の啓発活動を行う。乳幼児の死因元1位は不慮の事故であるため、年齢別で起こりやすい事故を具体的に説明することによって予防を図る。

・接種できるワクチンの数を増やすことで選択肢を広げる。

・定期的に顧客満足度調査を実施。顧客の声を貼り付けることで皆で共有できるように。

・ホームページの載せるのはデータだけでは不十分。「お仕事が終わった後も 休みの日も 小児科専門医による医療で安心」。創業時からブログも開設。ターゲット層の興味の持つテーマで記事を発信。facebook, line@, instagramなども活用。

・患者さんの病歴を聞いてカルテに記入するクラークという仕事がある。これにより医師が患者さんの顔をしっかりみて診察。

 

ブランディング

講演・セミナーを開催。自分の存在をクリニック内やホームページだけでなく、どれだけリアルのばで示せるか。

メディアへの露出の機会も増やす。



人材を育てて自走する組織を作る

採用の際にはミッションに共感している人、同じ方向を向いている人を雇う

そのことで、院長が決めていいことは基本的にフタッフ全員が決めていい、として積極的に権限を委譲することができる。

当初、採用したスタッフの定着のために、条件面のみでモチベーションをコントロールさせようとしてしまった。給料をあげるほど要求はエスカレートしていき信頼関係が崩れていった。

また、安易にコンサルタントを信用してはいけない。

 

個人のクリニックを志望する人は大病院と比べてモチベが高くないことが多い。クリニックを発展させるために頑張りたいという人は少ない。

でもちゃんとメッセージを発信することで「こんな目標が持てるのか!」と気づいてモチベーションが高い人が入ってきてくれる。

コツは、求める人物像を明確に打ち出すこと。明確にすればするほどターゲットが絞られて無駄な応募がなくなっていく。

 

また、会社でよくいわれるような「風土」を大切にする。

小暮さんの場合は、「業界のルールにとらわれずに、みんなの声を大切にする柔軟なクリニック」という風土を浸透させている。

 

「未来」をイメージさせることもスタッフのモチベーションを上げる際に非常に有効。

小暮さんの場合、2020年までに日本一信頼されて求められる小児科クリニック、2024年までに海外進出という目標を掲げている。

理念、ビジョンを軸に多面的な情報発信を行い、それに共感して応募してくれた人を採用する。

 

給料は「基本給+業績手当」で支払われるが、この業績はクリニックの売上ではなく、患者さんの満足度を基準にする。

売り上げを基準にしてもそれは、患者さんのためにはならない。

 

収支報告書を公開して、経費への意識を高める。

するとスタッフは節約すれば利益が増えて、結果として賞与として還元されるという仕組みを目で見てわかるようになる。

現場が必要と判断したものを購入する際は5万円まで個人の裁量で使っていいことにすることで、無駄遣いが減り、いちいち院長が確認する必要も無くなった。

 

組織づくりで意識すべきはエンパワーメント(権限委譲)。

できるだけ早い段階で信頼できる人に仕事を任せて、時代が変わっても柔軟に対応できる体制を作っておく。

実際、経営者が主導しなければならないのは、未来に関する意思決定くらい。

診療は専門医、採用やマーケティングは得意な人に、法律は弁護士にと、ほとんどの権限を委譲。

ドラッカーは著書でミッション、バリュー、ビジョン以外は委任できると言っている。

ただ、ミッション、バリューですらもみんなで考えるべき。

 

しかしこれは「自由にさせることでより高い成果を発揮させる」というスタッフとの信頼関係を元になりたつ。

ただこれは良い採用が前提。合わないなら採用しないという姿勢を貫くことが大切。

採用が苦手だと思ったら信頼できるスタッフに任せるのも手。

 

人生の成功には目標設定がとても重要な鍵を握っているということの理解を促す。

目標の立て方の指針として用いるのが「7つの習慣」

 

内的動機付けとしてスタッフの成長を支援する。ステップアップできるようなポストを用意したり、進行中のプロジェクトも開示する。

 

承認・感謝を形にする。表彰には体験型のイベントを賞与にしたりする。例えば普段は行かないような高級ホテルに泊まらせる機会を与えることで、一流を学び、それを普段の仕事にも生かしてほしいという思いから。

 

p/pcバランスを意識する。(pは成果、pcは目標達成能力のこと)

ガチョウと金の卵を教訓に。常に成果だけを追い求めるのではなくて、同時に自身の成長、目標達成の能力も上げていくことが大事であるとスタッフに伝える。

 

スタッフが様々な雑務をこなすのでなく、やるべきことを切り分けることで、一人一人の得意分野が生まれて効率的な運営につながる。




まとめ

以上が医師がクリニックを経営する上でのポイントとなります。

非常に読みやすい本で、かつ経営のために行った施策が具体的に書かれており、とても勉強になりました。

著者である小暮さんの患者さんに対する思いや優しさ、そして経営に向き合う真剣さが伝わってきて、自分も医師としての能力を高めて「良い医師」になるだけでなく、患者さんのニーズを理解し、それに沿った医療を提供できるような経営者にもならなければならないのだと強く感じました。

クリニックの開業に少しでも興味のある人は、実際に本を読んでみることを強くお勧めします。得られるものがかなり多いはずです。

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では、Take it easy.

医学部受験合格体験記【中学生での英語の勉強法】

こんにちは、ひろぞうです。

いま都内の医学部に通っている学生です。

今回は医学部受験における英語の勉強法について書いていきたいと思います。

ターゲットとしては子供を医学部に入れたい保護者の方を想定して書いています。

(逆に中学生でこれ調べてたらその子はまず受かるでしょう)

 

英語の勉強を開始したのは、中学入学と同時のタイミングです。中学での勉強がスタートしたのと同時に塾に行き始めました。

自分が行っていた塾というのは、鉄緑会と平岡塾です。鉄緑会では英語と数学、平岡塾では英語のみを取っていました。

英語に関して2つも塾に行っていたということに加えて、中学での英語の勉強も充実していたので、中学の終わり頃には英語の成績は駿台の模試で70近くは取れていたと思います。

これらの塾に行ってちゃんと宿題をこなしていれば、誰でもこれくらいの英語の成績を取ることはできると思います。(それでも自分はちょくちょくサボったりしていてあまり真面目とは言えなかったので、もっと真面目にやっている人は模試で偏差値80とか取っていますw)

ただ、塾に行っていなくてもモチベーションとやり方さえ分かっていればこのレベルまで成績は上がることは可能だなと考えています。

自分なりに英語の勉強で大切だったなと思うことを受験を振り返って考えてみたいと思います。

 

まず、鉄緑会と平岡塾の両方において最初は発音記号を勉強したのを覚えています。

全然役に立たないように見えてこれがとても役に立っていたな、と後から感じます。

ほとんどの中学や塾ではちゃんと発音記号を勉強しないと思います。やってもサッとやって飛ばすくらい。

でも自分は2つの塾と中学でやっていたので嫌でも覚えます。この発音記号はこういう発音だなというのがなんとなく分かってきます。

この発音記号が少し頭に残っているかどうかで、後に単語帳で単語を覚えるという段階になった時に、単語の吸収力が変わってきます。

さらに発音を記号としてしっかり勉強していると英語独特の発音がどういうものかが掴めてくるので、他の人よりも英語の発音を意識するようになります。すると、英語のスピーキングで日本語英語になるということが無くなります。英語っぽく話すことができるようになるのです。なので、まず中学の一番はじめにの段階で発音を学ぶのは大切。

 

あと英語の勉強として軽視されがちなものに筆記体があります。

ぶっちゃけこの段階で勉強しないと後からわざわざ勉強しようと思わない限り、勉強しません笑

受験英語では全く必要無いですし、点数があがるということもないのですが、みんなが書けない中で自分だけ知ってるとちょっとカッコイイというメリットがあります。英語のノートの名前を筆記体で書けたりして。すると英語のイメージが少し良くなるかなって思います。

 

上記の2つは中学生になって1ヶ月以内にやることですね。

そこから段々と勉強が始まっていくのですが、

中学の英語で最も大切だと思うのが文法です。

この文法が曖昧だと高校英語にもかなり響いてしまいます。

自分の通っていた平岡塾はスパルタとよく言われるのですが、特に文法に関しては何度も何度も繰り返します。それが自分の文法力形成に大きく役立ったと思っています。

文法ができていないと、よくわからないから英文を単語から推測して適当に読む癖がついてしまいます。

そうではなくて、ここはこういう文法だからこういう読み方をする、ということを一つ一つ積み重ねていくと自然と英語の総合力が伸びていきます。

 

文法に関しての勉強法ですが、平岡塾では「おかえり問題」というのがあって、文法を用いた例文集を暗唱して先生の前で言わないと帰れないという鬼のような制度がありました。

そこで例えば、不定詞であれば

It is my hobby to collect stamps.

という文から用法の異なる文を20ほど覚えなければいけませんでした。

それだけではただの暗記なので、なんかよくわからないけど暗記する、という感じです。

そのあとで問題集を解いていくと、あーあの用法ってこれのことだったのね、という感じでだんだんと理解できるようになってきます。

最初の段階ではとりあえず例文集を丸々覚えてしまう、というのも大切だと思っています。

 

あとは英語に対する気持ちの面も考えなくてはいけません。

自分は英語で点数が取れたので、なんとなく英語は好きだなと思えたタイプでした。

その一方で同級生に英語ができる友達がいて、彼女はアメリカの映画や音楽が大好きで、そういうものに触れる回数が圧倒的に多いタイプでした。発音がとても良かったし、リスニングも得意でした。そういった受験用ではなく、生の英語に触れている人は強いよなと後から思います。ただそこに関しては趣向の問題なので、家庭でそういうものを聞いたり、見る環境が多かったりすると子供も好きになる確率が上がるのかもしれません。

 

単語の勉強も疎かにはできません。

自分はターゲットという参考書を使って覚えていました。ただ、それは塾での単語テストに向けてやらなければいけない強制力があったのでできたのかなと思います。

そのようなテストでちゃんと勉強しているとしっかりと身についていきます。

 

以上が、中学生の時にやっていた英語の勉強になります。基本は塾と学校での勉強をやっていたという感じです。

語学に王道なしという格言にある通り、英語にふれている時間が長ければ長いほど成績も伸びてくるものかなと思います。

上記に書いたことを意識しながらも、英語に触れる時間をできるだけ増やしてあげるということが最も大切です。

逆にしっかりこなしていれば成績もそれに比例してちゃんと伸びてくる科目でもあるので、腰を据えて勉強に取り組んでいきましょう。

それでは、take it easy.